苗木の成長や定着状況を確認し、ネイチャーポジティブの実現を目指す
株式会社山田養蜂場(本社:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生)は、世界的に深刻化する森林減少や生物多様性の損失といった環境課題の解決を目指し、中国・雲南省麗江市の世界遺産「玉龍雪山」のふもとで進める植生回復5か年計画の2年目の取り組みとして、2026年7月11日に現地で植樹祭を実施しました。
当日は、現地の行政機関である雲南省黒白水林場や雲南省楊善洲緑化基金会、当社社員など約100人が協力し、現地の気候風土に適した在来種(アラカシモドキ、コウザンシイ等10種類)を植樹しました。2026年中に同エリアで合計4万本を植樹予定です。
また、本年の新たな取り組みとして、昨年植樹した苗木の定着状況を確認する成長調査を実施しました。調査では、植樹した苗木のうち、苗木の根付き率を示す「定着率」に加え、樹高や幹の太さなどを測定し、植樹から1年間でどの程度成長したかを確認しました。
当社は本活動を通じて、その土地本来の植生を回復させ、多様な生物が暮らせる豊かな森林の再生を目指しています。今後は、植樹本数だけではなく、その後の生育状況を継続的に把握・検証し、その土地に適した森林づくりに活かしてまいります。さらに、生物多様性の回復状況についても段階的な調査・検証を行い、植樹から自然再生へと活動を発展させ、ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現に貢献してまいります。

当社の植樹活動は1999年にネパールで始まり、2001年からは植物生態学者・故 宮脇昭氏が提唱した、その土地本来の植生を生かした「宮脇式植樹」を実践しています。2004年からは中国でも植樹活動を継続し、地域の気候や風土に適した在来種を植えることで、本来あるべき森の再生に取り組んできました。
国内外の累計植樹本数は本年を含めて約241万本、累計植樹面積は約805万平方メートル (東京ドーム約17個分)となり、中国本土での累計植樹本数は約177万本となる予定です。
養蜂業は、豊かな自然環境があって初めて成り立つ産業です。当社は「自然との調和」を企業理念に掲げ、植樹活動を単なる社会貢献ではなく、未来へ豊かな自然環境を引き継ぐための重要な取り組みとして続けてきました。今後も現地の行政機関や研究者、地域住民の皆さまと連携しながら、植えて終わりではなく、森が育ち、次世代へ受け継がれるまで見守る森づくりを推進してまいります。
■世界遺産「玉龍雪山」植樹プロジェクトとは
本プロジェクトは、中国・雲南省麗江市の世界遺産「玉龍雪山」のふもとに広がる荒廃地において、その土地本来の森林を再生することを目的とした取り組みです。植樹地は標高2,752mに位置し、冬季の低温や強風、やせた土壌など、樹木の生育には厳しい自然環境にあります。これまで緑化のためにヒマラヤスギなどが植えられてきましたが、十分に定着しないという課題がありました。
そこで山田養蜂場は、これまでも国内外の植樹活動で実践してきた、植物生態学者・故 宮脇昭氏が提唱する「宮脇式植樹」を本プロジェクトでも導入。地域本来の植生を構成する在来種を密植・混植することで、多様な植物が共生する自然林の再生を目指しています。
本プロジェクトは、単に木を植えることを目的とするものではありません。植樹後も苗木の定着状況や成長を継続的に確認しながら、その土地に根付く森づくりを進めるとともに、将来的には生物多様性の回復状況も把握し、ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現に貢献することを目指しています。

今回の植樹地(植樹前)
今回の植樹地(植樹後)

植樹の様子
■山田養蜂場が実践する、「宮脇式植樹」とは
創業以来ミツバチとともに歩んできた当社は、自然環境を守る取り組みとして1999年から植樹活動を行っており、これまでに国内外で累計2,375,871本の植樹を行っています。当社の植樹方法は、世界的に高い評価を受けてきた植物生態学者・故 宮脇昭氏が提唱した「宮脇式植樹」を採用しています。
宮脇式植樹は、その土地本来の植生に基づく多種類の樹種を、混ぜながら密植することで植物本来の力を引き出して成長を促し、自然災害に強い「ふるさとの森」を生み出す植樹方法です。

宮脇 昭(みやわき あきら)氏1928年~2021年。岡山県出身。横浜国立大学名誉教授、(財)地球環境戦略研究機関国際生態学センター終身名誉センター長。ドイツ国立植生図研究所で潜在自然植生理論を学び、世界を舞台に国内外1,700ヶ所以上に、合計4,000万本を超える植樹を行ってきた。その土地本来の樹種「潜在自然植生」に基づく植樹を実践、指導。また、東日本大震災を受けて、植樹による緑の堤防づくりを提唱。2006年には、地球環境への貢献が認められ、日本の研究者として初めてブループラネット賞を受賞。

藤原 一繪(ふじわら かずえ)氏1944年生まれ。横浜国立大学卒業。フランス中央研究機関(CNRS)給費研究員(リール大学)、横浜国立大学大学院環境情報研究院教授などの経歴をもつ。現在、横浜国立大学名誉教授、横浜市立大学特任教授。故・宮脇昭氏と共に、国内外での森づくりを指導。著書に「混源植物」「環境問題を考える」(共著) 「東南アジアの植物と農林業」(共著) 「日本植生誌」全10巻(共著)ミニフォレスト革命(監訳)など。