約8割は渋谷以外の駅へ
事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、「渋谷駅だけを指定して物件を探し始めた人が、最終的にどの駅の物件へ問合せたか」を、実際の検索・問合せデータから分析しました。
その結果、問合せ先は200を超える駅に分散し、約8割は渋谷以外の物件に問合せをしていることが分かりました。さらに、渋谷より家賃の高い駅にも問合せが集まり、その理由は「安さ」ではなく「広さ」にあること、家賃を抑えた駅では築年数の古い物件も選ばれることなど、生活者が「渋谷からの近さ」を共通の軸としながら、広さ・築年数・家賃の何を取り、何を譲るかで物件を選ぶ実態が明らかになりました。

https://www.homes.co.jp/cont/data/data_00143/
「渋谷だけ」で探し始めた人は、どこへ着地したか
渋谷だけを指定して探し始めた人が、最終的に問合せた駅を集計し、最も多かった渋谷を100として指数化したのが下のランキングです(問合せの多い上位のみ抜粋)。

※問合せの多い上位の駅を抜粋。実際の問合せ先は200を超える駅に広がる。「指数」は問合せをした人数を渋谷=100として相対化した値。掲載相場は各駅の1R~1LDK・2025年の掲載物件の中央値。問合せ家賃・面積・築年は問合せのあった物件(1R~1LDK)の中央値。相場との差は「問合せ家賃 − 掲載相場」(万円)。
渋谷より“家賃の高い駅”へも向かう人々、その理由は「広さ」
「渋谷は家賃が高いから、より安い駅へ流れる」と思われがちです。しかし行動データを見ると、渋谷より家賃の高い駅へ向かう動きも見られました。実際に渋谷で物件探しを始めた人の問合せ先を、「広さ」・「近さ」・「築年数」の3つの軸で分析しました。
1. 広さ|渋谷より“高い駅”を選んだのは「広い部屋」を求めた結果
渋谷より反響賃料(問合せのあった物件の家賃の中央値)が高い2位「恵比寿」・6位「中目黒」などにも、問合せが集まりました。その理由は「広さ」です。恵比寿に問合せのあった物件は専有面積の中央値が約40平方メートル (1LDK中心)と、渋谷(中央値 約23平方メートル )の1.7倍以上の広さでした。高い駅に向かったのは“高い街”を選んだのではなく、“広い物件”を選んだ結果といえます。

2. 近さ|どの層も「渋谷の近く」は譲らない
広さを取る人も、家賃を抑える人も、共通して「渋谷からの近さ」を重視していました。渋谷からの所要時間が長くなるほど、問合せは減少。予算の置きどころは人それぞれでも、“近さ”だけは多くの人に共通するものさしでした。

3. 築年数|家賃を抑えた人は「新しさ」を譲る
家賃を抑えた駅(8位「祐天寺」・9位「駒場東大前」など)では、築年数の古い物件も選ばれていました。問合せ物件の築年数の中央値は、家賃8万円台までの帯で約26年、家賃が高い帯では約10年。家賃を抑える代わりに、新しさは譲るという選択が見られました。

「近さ」を共通の軸に、何を取り何を譲るかで着地点が分かれる
渋谷を起点に探した人は、「近さ」を共通の軸としながら、広さ・築年数・家賃のどれを取り、どれを譲るかで、たどり着く駅を変えていました。渋谷から数分圏にある2位「恵比寿」・3位「神泉」・4位「池尻大橋」などへ"ずらす"動きは、LIFULL HOME’Sが住まい探しのトレンドとして提唱する「ずらし駅」(隣接駅へ視野を広げる物件探し)が、実際の行動として現れた一例でもあります。
条件をすべて満たす物件はなかなかありませんが、優先順位をはっきりさせるほど、自分の希望に近い物件にたどり着きやすくなります。渋谷そのものは難しくても、数分隣の駅へと少し“ずらす”ことで、渋谷生活圏の利便性を保ったまま、自分に合う住まいに手が届く。多くの人が、そうして着地点を見つけていました。

分析:LIFULL HOME'S総研 中山登志朗
当初「渋谷」に住むことを考えた賃貸ユーザーの問合せエリアは“ずらし駅”によって解決
1日の乗降客数約289万人と「新宿」の約305万人に次ぐ全国第2位の「渋谷」(世界第2位でもあります)は、事業集積性と繁華性が高く、商業施設数や飲食店数なども全国有数の規模を誇る“ビッグシティ”のため、仮に住むとすると賃料は、マンション価格はどれほどなのか、誰でも関心があることと思います。これはLIFULL HOME’Sでの物件検索を通じて「渋谷」に住むことをイメージした人が、実際に何処に住宅を見つけた(問い合わせた)のかを追跡したオリジナル調査です。
ちなみに、渋谷駅周辺の新築マンション価格は60平方メートル 超で概ね2.5億円、賃料は新南口改札より徒歩4分の物件で約25平方メートル のワンルームが月額16万円超という事例もあるため、買うのも借りるのもハイレベルです。
結果をみると、通勤・通学やコミュニティ・習い事などを含め、生活時間の多くを「渋谷」周辺で過ごすことが想定される人にとって経済的に厳しいとなれば、特に京王井の頭線や東急田園都市線沿線、東京メトロなどで数駅程度“ずらし駅”(※)することによって、賃料や居住面積をやや譲りながら現実的な物件選択をしていることが明らかです。また、ずらす駅の数も各々の予算に応じて大きく異なることがわかりました。
つまり、賃料という固定費の予算に応じて、「時間重視」か「広さ重視」か「生活環境重視」かという各ユーザーの“居住条件の優先順位”の最大公約数=駅の選び直しが今回のランキングに表れているといえます。
ただし、渋谷周辺よりもさらに高額な賃料で借りたユーザーもいることが注目され、これは渋谷では予算内で広さを求めるとハードルが高かったこと、および周辺の住環境や生活利便性を比較検討した結果と考えられます。
※LIFULL HOME’Sが2025年のトレンドワードとして公表。賃料高騰のなかターミナル駅や人気エリアから数駅離れたり、別の路線の駅を選択したりすることで、利便性を大きく損なうことなく賃料を軽減する賃貸市場のトレンド
<参考>
来年の住宅トレンドワードを解説!『LIFULL HOME'S 2025年トレンド発表会』
賃料高騰のなか生活費を抑える手法として広がる!注目の「ずらし駅」調査
LIFULL HOME'S総研 副所長 / チーフアナリスト
中山登志朗(なかやまとしあき)

出版社を経て、 1998年から不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間多数の不動産市況セミナーで講演。2014年9月にLIFULL HOME'S総研副所長に就任。国土交通省、経済産業省、東京都などの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。
調査概要
- 出典:LIFULL HOME'S に広告掲載された賃貸事例
- 対象期間:2025年1月1日~2025年12月31日
- 対象:渋谷駅のみを指定して探し始めてから7日以内に問合せた、単身向け間取り(ワンルーム・1K・1DK・1LDK)で探した人
- 集計:家賃・専有面積・築年数などはいずれも中央値。問合せの多さは、最も多い渋谷を100とした指数で表現
注記:反響数の実数は非公表。本データは問合せ行動の傾向を示すものであり、問合せの少ない駅・間取りでは数値が偏る場合があります。「渋谷駅周辺で探した人」の傾向であり、東京全体の傾向を示すものではありません
LIFULL HOME'S について(https://www.homes.co.jp/)

LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。
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LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」などの事業展開を行っています。