世界遺産・熊野古道の参詣道「中辺路ルート」沿いに、地方創生を理念とする町宿「SEN.RETREAT TAKAHARA」が10月8日(金)にオープンする。
数日を要する熊野古道の巡礼
1千年以上の奥深い歴史と豊かな自然を持つ熊野古道。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の熊野三山へ通じる参詣道として、平安貴族から庶民まで人々が救いを求めて歩いた神聖な道には、今も多くの人が訪れている。
熊野古道には6つの参詣ルートがあり、最も参詣者が多い中辺路ルート(滝尻王子~熊野那智大社)は約100㎞もの距離があるため、巡礼には約4~5日間を要し、観光客は複数の宿泊施設を泊まり歩く必要がある。
ところが、周辺の宿泊施設は小規模なものが多く、春・秋のハイシーズンにはすべての宿が満室となってしまうケースが発生。宿泊先が見つからずに巡礼ができなくなってしまうことや、宿の後継者不足が課題となっていた。
巡礼者向けの宿泊施設を
これらの問題を解消するべく、数日間かけて歩く中辺路ルート沿いに、4つの町宿「SEN.RETREAT」をつくるプロジェクトが始動。宿泊客の受け皿を作ることで地域観光を持続可能なものにし、過疎化が進む地域で雇用を創出するほか、空き家をリノベーションして宿に生まれ変わらせることで、空き家問題の解消にも寄与することを目指す。
大自然の中で複数の神社がつながり、巡礼文化を体験できる熊野古道で、安心できる宿泊と巡礼体験を提供し、中辺路ルートの4つの主要地域で計約40室を備えた町宿を運営することで、年間1万人の巡礼をサポートしていく。
今回オープンの田辺市中辺路町高原を皮切りに、11月1日には田辺市中辺路町近露、2022年3月1日には新宮市熊野川町、2022年9月1日には田辺市本宮町坊ノ原を開業し、4泊の日程で巡礼できるようになる。
古民家をリノベーションした一棟貸し
「SEN.RETREAT TAKAHARA」は、空き家となっていた古民家を、木の温かみを生かした内外装にリノベーション。
最大宿泊人数10人の一棟貸で、宿泊客が集まることができる広々としたリビングや、
ほんのりと木の香りが漂う和室などを備えている。
大自然に囲まれた屋外のデッキテラスにはバーベキューセットを常備。宿では焚き火、近隣では川遊びなどのレジャーを楽しむことができる。トレッキング客はもちろん、ファミリー層やグループ、またワ―ケーション施設としての利用も可能だ。料金は1泊4万円から。詳細は公式サイトで確認を。