風の沢ミュージアムでは、4月30日(土)〜10月2日(日)の金・土・日・祝日に、信楽の陶芸作家・山田浩之氏を起用した2022年度企画展「混思考」を実施。
幕開けとなる4月30日(土)11:00〜は、作家の作品解説や地元の伝統芸能「南部神楽」披露など多様なプログラムを用意したオープニングイベントを開催する。
土地の物語と土との関係をオブジェで表現
宮城内陸地震が起きた2008年に初めて栗原を訪れた山田氏は、復興の象徴として風の沢で始まった「くりはら万葉祭-土と火のまつり-」に参加し、自然に翻弄されながらも、人と人、文化と文化を混ぜ合いながら一つのものとして力強く生きる地域の風土に「混沌」を感じ取った。
今回の展示のメインプロジェクトは、市内の約20箇所から土を採取し、その地に残る歴史や伝承をテーマに作品を制作する「栗原陶器化計画」。土地の物語と土との関係をオブジェとして表現する。
さらに、市内の土をまとめて一つにした「栗原丸ごと焼き」や、栗駒山の溶解岩で作る釉薬を使った作品など、多様な試みも目にすることができるほか、実際に手で触れたり中に入ったりして体感できる作品も展示される。
六日町通り商店街で小作品を販売
また風の沢では、里山と街をつなぐ、をコンセプトに企画展と連動して栗原市栗駒地区岩ケ崎の六日町通り商店街にある「三浦酒舗」「川股園茶舗」「シェアショップ(ナマケモノ書店内)」で、山田氏の茶碗・酒器等の小作品を販売。
岩ケ崎は古くから馬の産地・集積地として栄えた城下町であり、奥州国道筋の要駅として武士や商人が集まる市場町だった。中でも藩政時代以前から商人の町として続く六日町通り商店街は、近頃レトロで個性的な店舗が少しずつ増えているそう。
一般参加者と作家が共同制作する作品も
このほか、5月3日(火・祝)・4日(水・祝)には、風の沢アートインレジデンス棟にて、一般参加者と作家が共同で床地図を制作し、その上に栗原の土で制作した焼き物を展示するイベントも実施。
出来上がった作品は、栗原の地質について紹介している栗駒山麓ジオパークの企画展示室にて、5月4日(水・祝)〜10月2日(日)の期間公開される。入場料は無料だ。
アートとしての土の表現とは違った地質の標本としての展示も楽しめるので、この機会に足を運んでみては。
■風の沢ミュージアム
住所:宮城県栗原市一迫片子沢外の沢11
営業時間:11:00~17:00(最終入場16:30)
URL:https://kazenosawa.site/
■栗駒山麓ジオパークビジターセンター
住所:宮城県栗原市栗駒松倉東貴船5番地
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