富山県は、立山黒部アルペンルートと日本有数のV字形の谷「黒部峡谷」を結ぶ新観光ルートの名称案を公募し、有識者などの選定によって「黒部宇奈月キャニオンルート」に決定した。
2024年度より新ルートが一般公開
「黒部宇奈月キャニオンルート」は、「黒部峡谷」鉄道の終点「欅平」と黒部ダムを結ぶ約18kmのルートで、トロッコやインクラインを乗り継ぎ、電源開発の歴史などを体感できる。
2018年に富山県と関西電力が締結した協定により、安全対策工事完了後、2024年度よりいよいよ一般開放される。
これにより、日本有数のV字峡である「黒部峡谷」と世界的な山岳景観を誇る「立山黒部アルペンルート」を結ぶ新たな観光ルートが形成される。
注目スポットをチェック
蓄電池機関車で通過する「高熱隧道」は、掘削時、岩盤の温度が160℃を超え、ダイナマイトの自然発火などがあり、工事は難航したそう。
現在も約40℃あり、列車内でも硫黄臭や熱気が感じられる。
インクラインは、黒四発電所の建設に必要な資材や機材を輸送するため、 1959年に建設された。長さ815m、斜度34°の急傾斜を20分かけて昇降する。
急傾斜の長大な斜坑を掘削するという点で世界にも例のないものだ。
また、剱岳を富山平野とは反対の方向から眺める姿は「裏剱」と呼ばれる。荒々しい稜線が織りなす威容は、長く険しい道を辿った登山者など限られた人しか見ることができない。
2024年度に一般公開される新観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」を、この機会にチェックしてみて。
宇奈月~黒部ダム新ルート始動:https://unazuki-kurobedam-route.jp/
(江崎貴子)
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