「やんばる共和国」は、世界自然遺産に登録された、沖縄やんばるが舞台の映画「HAPPY SANDWICH」を2023年初春、上映予定だ。
ドキュメンタリーでありながらドラマ性のある映画
「HAPPY SANDWICH」は、ドキュメンタリーでありながらドラマ性のある映画となっている。沖縄の歴史、食、自然の声に触れ、言葉や環境、世代を越えて世界中の人々の心に届き、やんばるに暮らす素晴らしさを少しでも感じてもらい、沖縄へ行ってみたい!やんばるに行ってみたい!と興味を持ってもらえるように作ったという。
同映画の監督は、長編映画「ココロ、オドル」で、2019年ハンブルグ日本映画祭で大賞受賞した、沖縄映画を牽引する、名護市出身の岸本司監督だ。
内容
同映画は、沖縄県名護市にある「島豚七輪焼満味」店主、満名匠吾氏が、「神様に捧げるサンドイッチを作るように」とカミンチュから伝えられるところから始まる。
その問いの答えをみつけるために悩んだ満名氏は沖縄県内の食にかかわる人々へ話を聞きにまわる。生産者や料理人達との対話の中で、彼らの食や暮らし方に対する思いを聞き、自身の考える「神様に捧げるサンドイッチ」の構想へと向かっていく。
同映画は、食だけでは語り切れない自然への愛がふんだんに盛り込まれ、沖縄の独特な雰囲気を感じられる内容だ。
企画意図
「やんばる共和国」の創業者でもあるプロデューサー大朝將嗣氏が14年前に那覇での不動産、店舗開発及び飲食業から一線を退き、沖縄県北部エリアであるやんばるにてホテルを開業し、2016年に沖縄初のグランピング施設を立ち上げた。
その際に、今までの人生では経験出来なかった、やんばるの穏やかな平和な時間、その中で素直に自分らしく過ごせるようになったことから「自然と共に生きる素晴らしさ、やんばるの素晴らしさを共有したい」という思いで同映画の制作に至ったという。
食と暮らしWith Nature
同映画のテーマは、「食と暮らしWith Nature」。
戦後の経済成長、バブル以降、人の幸福の基準はお金に集中し、お金を得るために働くという生活様式になり、最終的にその様が歪んだ形のトライアングル「衣・食・住」になっている。
Natureを表現する一つの手段として、前述の崩れた三角形の一番隅に追いやられている「食」を最重要テーマとして取り上げ、沖縄北部、やんばるに暮らすハルサー(畑人)、ウミンチュ(海人)、養蜂家の人々に話を聞き、それぞれの立場からみた食への考え方・自然の在り方を、料理人・満名匠吾氏がストーリーテラーとなって映画上で物語を進めていく。
「HAPPY SANDWICH」は、「SDGs」「食育」が問われる今、暮らし方を今一度考えるきっかけになるかもしれない。
「やんばる共和国」公式サイト:http://www.yambaru-re.com/index.html
(角谷良平)