東京都大田区の「ユースコミュニティー」は、「困難を抱える小学生に、無料の教室を継続して提供すること」を目的に、10月1日(土)~31日(月)の期間、クラウドファンディングを実施している。
目標金額は60万円で、寄付は教室運営に最低限必要な会場費、学生ボランティアの交通費などの諸経費に充当される。
生きづらさを抱える子ども達に安心して過ごせる居場所を
2016年に大田区が実施した子どもの貧困実態調査では、経済的・社会的要因から子ども達の様々な経験が制限されている実態が明らかになった。
その中でも特に困難を抱えているのが、軽度の発達障碍、不登校、外国ルーツ、ひとり親でその親も病気などの生活保護家庭など、既存の小学校のコミュニティーにうまく溶け込めない子ども達だ。
大田区内の小学校には、1校につき2つの学童が設置されているが、学校同様、学童に馴染むことも難しい子が多く、支援は十分ではないそう。2021年12月より開始した「ユースコミュニティー」の小学生教室は、そんな子ども達にとってかけがえのない居場所となっており、活動継続が必要だ。
同教室で知り合った子が唯一の友達だという子も少なくない。学校生活に困難を抱え、心を閉ざしていた子どもが、他の子ども達や大人と関わる中で、だんだんと本来の子どもらしさを取り戻していくという。
困っている子どもがいたら、大人が助ける
「ユースコミュニティー」は、2012年より「困っている子どもがいたら、大人が助ける」があたりまえの社会を目指して、地域の人々の協力を得ながら、子ども達に学習環境を提供している。
また、学習支援だけでなく合宿・各種イベント等の課外プログラムや保護者への生活・進路・奨学金相談などのソーシャルワークまで、包括的な取り組みを実施している。
完全無料の教室を運営
2012年から中高生の学習支援を行うなかで、学校に居場所がない小学生が少なくないことに気づき、2021年12月から新たに小学生教室を、地域の公民館を使用して週に4回の開催で運営している。経済的な理由など、家庭環境に困難を抱える子どもも少なくないことから、子ども達の利用費用は完全無料だ。
また、行政からの公的補助や委託費も一切ない。現在の運営・活動費は日本財団の助成金で何とか賄えているが、助成終了や減額が来年度から予定されおり、今後は、この取り組みを継続するための資金調達が必要だ。
このような経緯から、「ユースコミュニティー」はクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げ、継続して小学生教室を開催していく。
生きづらさを抱える子ども達に安心して過ごせる居場所を届けたいと思う人は「ユースコミュニティー」のプロジェクトに参加してみては。
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プロジェクト名:生きづらさを抱える子ども達に安心して過ごせる居場所を届けたい
(角谷良平)