日本酒の製造および販売を行う、秋田県潟上市の「NEW STANDARD A」は、12名の酒好きがつくる米から栽培した新しい秋田の日本酒「rice,water(ライスウォーター)」を、11月1日(火)11時にオープンした同社ECサイトにて販売している。
12人の仲間による地域に貢献する酒造り
「NEW STANDARD A」は、酒造りのプロでもなく、地域の文化に精通しているというわけでもないが、生まれも育ちも秋田県という友人たちで構成されるチーム。みんなで酒を飲み交わしていたときにふと誰かが言った「自分たちで、米から日本酒をつくったらめっちゃうまいんじゃない?」のひと言からすべてが始まった。
酒造りが進むにつれ、故郷の米のおいしさや、農家・蔵人の実直なものづくり、秋田県特有の四季の美しさを知るようになり、自分たちだけが愉しむのではなく、生まれ育った雪国に貢献できることをしたいと考えるように。
そして、社会人になって約15年、自分たちがまたあの頃のように、故郷(ふるさと)で仲間と一緒になにかに夢中になりたいとの想い。
このプロジェクトは、12名それぞれがさまざまな職につき、経験を重ねてきた今だからこそできる、大人の本気の趣味なのかもしれないと、彼らは言う。
減農薬栽培の米を使用し阿櫻酒造にて醸造
同社は、銘米あきたこまちを生んだ “米王国・秋田”を代表する酒米「吟の精」を含む3種を減農薬栽培で丁寧に育て、収穫後は老舗酒蔵である阿櫻酒造に醸造を委託。全国五大杜氏のひとつである山内杜氏・照井俊男氏のもと、使用する酵母や風味を相談しながら味を設計した。
採用された技法は、阿櫻酒造の特徴である、長期低温発酵の秋田寒流仕込み。醪(もろみ)の温度を初期に高くせず、平穏から徐々に温度を高くする、気温が低い雪国ならではの手法で、丁寧にじっくり米の甘みを引き出した。
3種の日本酒が登場
今回販売する「rice,water」は、初お披露目2種を含む全3種。クラウドファンディングによる先行販売で、大人気だった純米吟醸の「rice,water 0」は、すっきとした口当たりが特徴で、“何杯でも飲める”味。精米歩合は60%。飲み仲間とどっぷり楽しみたいときにおすすめ。
純米酒の「rice,water 1」は、精米歩合80%でありながら、日本酒ではまだ珍しい白麹を組み合わせることで、すっきりとした雑味の少ない味に。後から追いかける白麹由来の酸味が食欲を引き立てる。
純米大吟醸酒の「rice,water 2」は、綺麗だけどひと癖ある風味を目指し、焼酎用の白麹を採用。旨味と酸味を引き出し、香りを立たせるために酵母は数種類をブレンド。肴がなくとも、酒単体で楽しめるすっきりとした味を追求した。日本酒初心者から玄人まで幅広く楽しめる1本だ。
今後は、200本限定醸造の生酒の販売のほか、実店舗や秋田での体験型イベントなども予定しているというので、お楽しみに。
NEW STANDARD A 販売サイト:https://akita-rice-water.com/
阿櫻酒造:http://www.azakura.co.jp/kuramoto/index.html
(山本えり)