トレンドニュースサイト STRAIGHT PRESS【 ストレートプレス 】

LOCAL

【京都府左京区】役目を終えた念珠・珠数を供養する「珠数供養」が赤山禅院で開催

このエントリーをはてなブックマークに追加


京都珠数製造卸協同組合は、使わなくなった念珠、珠数を供養する「珠数供養」を11月23日(水・祝)、京都市・修学院にある天台宗総本山、比叡山延暦寺の塔頭「赤山禅院(せきざんぜんいん)」にてとり行う。

全国各地から寄せられた珠数を供養


毎年11月23日に行われている「珠数供養」。例年紅葉の時期に開かれるこの会では、天台宗の修行の中でも随一の厳しさと言われる千日回峰行を満行した大阿闍梨による加持祈祷などを行い、全国各地から寄せられた念珠、珠数を供養する。


使われることのなくなった念珠、珠数は、そのまま捨ててしまうのではなく、然るべき扱いを選ぶのが一般的だと言われている。珠数を使用してきた人や珠数の製作に関わる職人たちが感謝の気持ちを持って見守る中、大阿闍梨によって丁寧にお焚き上げされる。毎年、何千、何万という数の珠数がこの日に供養される。

もみじ寺の美しい景観、大阿闍梨による祈祷も


「珠数供養」が行われる赤山禅院は、平安時代の888年に、日本の仏教において大きな役割を果たした祖師の一人「慈覚大師 円仁(えんにん)」の遺命によって創建された。参道の紅葉のトンネルが見事な紅葉の名所として知られ、「もみじ寺」とも呼ばれる。比叡山の千日回峰行とも関わりが深いお寺として、また、都七福神の福禄寿の寺としても有名だ。


お堂の中で当行満阿闍梨による祈禱から始まり、護摩木が焚かれ、無病息災、商売繁盛等々、人々の幸せが祈られる。その後、案内に従って手の指を組み、頭を下げて待つと、大阿闍梨からお加持を受けられる。長年の務めを終えた珠数を大阿闍梨が焚上げ、供養されるこの「珠数供養」では、関係者や信者のみならず、紅葉見物の観光客も加わり手を合わせる。

地域ブランド「京念珠」にも注目


京都は平安建都から東京遷都にいたる一千年以上に渡り、日本の首都機能を担ってきた。明治維新で政治的機能が東京に移されたが、宗教的な首都機能は残され、今もなお日本仏教の中心の地位を占めている。その歴史的地域特性によって育まれたのが「京念珠」だ。


「京念珠」の市場は宗派、寸法、材質等の掛け合わせた多品種少量生産が求められる分野。多岐にわたる念珠の材料の供給や部位の生産は、分業体制なくして実現することはできなかっただろう。職人たちはその高度に整備されたネットワークの中で、伝統的製法を保持、発展させてきた。「京念珠」は、まさに京都の街の歴史的地域特性を示すブランドとなっている。

珠数供養の依頼方法について

「珠数供養」での供養を希望する場合は、当日に持参するか、近くの珠数取扱店に問い合わせて依頼することができる。なお今年度は一般の参拝もできる予定だが、状況により変更になる場合がある。

役目を終えた珠数を、感謝を込めてねぎらう「珠数供養」に参加してみては。

■赤山禅院
住所:京都市左京区修学院開根坊町18
「京都珠数製造卸協同組合」公式HP:https://kyonenju.or.jp

※地域ブランド 「京念珠Ⓡ」:特許庁に商標登録された京都珠数製造卸協同組合の伝統工芸品
平成19年4月6日に「京念珠Ⓡ」の商標登録(地域団体商標:登録第5038201号)を収得。

(min)

最新情報をTwitterで受け取ろう!
最新情報をFacebookで受け取ろう!
前の記事
一覧へ戻る
次の記事