日本流行色協会は、毎年12月に「来年の色」として、翌年を象徴する色1色を発表している。
日本流行色協会が選定した「2023年の色」は、「やさしさに包まれるイエロー」である「ルミナスイエロー(Luminous Yellow)」だ。
その年のテーマカラー
「2023年の色」は、日本流行色協会が選定した色だが、単に来年流行する色という意味ではなく、2023年がどういう年になるのか、その時代のムードを象徴するさまざまなキーワードを包含した、その年の「テーマカラー」といえるものだ。
カラーの選定理由
長く続く新型感染症への対応、国家間の争い、環境汚染など、不安が大きな世の中を生きている私たち。生き抜く強さや苦境を跳ね返すパワーに憧れるが、先行きが見通せず不透明な日々をどうにかやり過ごすので精一杯だ。
無理に気持ちを奮い立たせるのではなく、心がふと軽くなるような、ほっと息をつけるような色はどんな色だろうか。
日本流行色協会は、2023年の色として、ほんのりと光がたまったような、陽だまりのような明るいイエローを選んだ。じんわりと色が沁み込んでくるような「ルミナスイエロー」は、優しく穏やかで、希望を感じさせてくれる色。淡く柔らかい色は不安で固まった心にも無理なく入っていき、そっと癒し、明るい気持ちにしてくれる。
また、デジタルデバイスが欠かせない日常だが、デジタル画面を構成する光はどうしても刺激が強い色が多くなる。このような優しいイエローはデジタル表現やデザインのヒントになるかもしれない。キーワードは、多様性、つながる、広がる、共生、癒される、光る、immaterial(非物質)、適温、グラデーション、浸る、境界があいまいになる、だという。
2023年が、「やさしさに包まれるイエロー」の「ルミナスイエロー」のような年になることを願ってみては。
日本流行色協会:https://www.jafca.org/
(角谷良平)
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