1月14日(土)・15日(日)には全国で「大学入学共通テスト」が実施される。この日、そしてその後に続く受験日のために部活を諦め、勉強に集中する高校生も決して珍しくはないが、部活動に取り組むことは本当に受験勉強の妨げになっているのだろうか。
福岡県福岡市の「竜文会」がアンケートを実施
九州大学を目指す生徒に大学受験を指導し、代表自身も2019年に九州大学医学部を卒業している福岡県福岡市の「竜文会」が、九州最難関にして日本有数の難関校でもある九州大学医学部医学科の学生168人に「高校で部活動を行っていたか」についてアンケートを行った。
結果は、「部活動をしていた」が75.6%、「部活動をしていなかった」が24.4%。九州大学医学部医学科合格を勝ち取った学生の実に75.6%が部活動に取り組んでいたことが明らかになっている。
部活をやめても単純に勉強時間が増えるわけではない
竜文会代表である中原遼太郎さんは「私自身、大学受験指導の現場に立っていて、日々感じるのは“部活と受験の両立は可能なのか”ということに頭を悩ませる学生や親が実に多いということ。特に親からは“子供が部活で忙しく、成績が思うように上がらない”という相談を受けることも数多くある」と語る。
しかしながら、アンケートの結果を見ると、むしろ部活動をやっていたほうが合格しやすいことがわかる。
中原さんによると、「自身も高校時代は毎日2時間近く部活で陸上に打ち込んだが九州大学医学部に現役合格できた。“部活動の時間を勉強時間に回す”ことは一見、理にかなっているものの、高校生の日常がスマホやSNSなどの誘惑にあふれている中で、部活をやめたとしても、ほとんどの生徒がその分だらけてしまっている」のだと。つまり、部活動をやめても、単純に勉強時間がその分増えるわけではないのだ。
さらに、「受験指導に当たりながら感じるのは、部活動をしている生徒のほうが時間のメリハリをはっきりつけられている。部活を全力で頑張り帰宅したら可能な限り勉強に取り組む。時間が限られている分、“1分1秒を無駄にはしまい”と頑張れることが大学受験合格につながっているようだ」とも。
“最後の追い上げ”にも期待大!
また、中原さんは、部活動を頑張っていた生徒の“最後の追い上げ”の凄さにも驚くという。「部活動をしながらも限られた時間でメリハリをつけて活用していた生徒は、部活動を引退したら一気に気持ちを切り替えることができるようで、部活を通じて体力や集中力もつけているため長時間の勉強にも耐えることができ、グングン成績を伸ばして合格を掴むことができている」と語っている。
「大学入学共通テスト」まであと数日。コロナ禍で思うような部活動はできなかったかもしれないが、それでも部活動を頑張った生徒には体力も集中力も“最後の追い上げ”力もついている…。生徒自身も、そして親達もそう信じてこれからの受験シーズンを乗り切って欲しい。
■アンケート調査概要
調査期間:2022年10月26日〜11月9日
調査対象:九州大学医学部医学科の学生
有効回答数(サンプル数):168名
調査方法(集計方法、算出方法):インターネット調査
(fukumoto)