4月25日の「春の土用の丑の日」を前に、カニカマの生みの親であるスギヨは、うなぎ風かまぼこ「うな蒲ちゃん」の自動販売機を金沢市に設置した。
うなぎの減少をうけて開発された「うな蒲ちゃん」
うなぎは1950年代後半以降減少を続け、2014年にはニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)の定める「絶滅危惧種IB類(レッドリスト)」に掲載された。
日本での年間消費量は約5万トンとされ、世界でもトップクラス。水産資源を守りながら、うなぎを食べる文化を途絶えさせないために開発されたのが「うな蒲ちゃん」だ。
同商品は、こんにゃくゼリーを使い、うなぎのトロッとした食感を再現。小骨のような食感も企業秘密の技で生み出した。タレや焼く温度、時間にこだわり、蒲焼きの独特の風味を作っている。
自販機を需要を掘り起こす実験の場に
2015年に発売された同商品は、その見た目、食感、味で食べた人を驚かせた。しかし、知名度は「うなぎ上り」とはいかず、一部の人にしか知られないまま8年が過ぎた。
これまでスーパーでパックのまま売られていた同商品を、どんな食べ方で紹介したら受け入れられるのか、実験の場に選んだのが自販機だ。
自販機での販売はスーパーなどでの販売に比べ、商品の入れ替えが容易なことから、今後試験的な商品を導入しながら同商品の需要を掘り起こしていく。
6種の商品を冷凍で販売
自販機は、金沢市の中心部、兼六園からほど近い尾張町に1台設置。自販機本体の色は、うなぎをイメージし、金沢の街並みにも溶け込むような茶色を採用した。
現在販売しているのは、「うな蒲ちゃんわっぱ飯」「香り箱の炊き込みご飯」「大人のカニカマ(カニスギ~ヨ!付)」各600円など6種。冷凍で販売しており、レンジで温めて食べられる。なお、「カニスギ~ヨ!」は、カニの脚をイメージした専用ピック。
この自販機は、告知前にもかかわらず当初の予想を上回る販売数量となり、SNSでも「うな蒲ちゃん自販機発見」など投稿があった。売れ行きがよい商品は今後、成功事例として全国の弁当業界等に提案していくという。
元祖カニカマメーカー・スギヨが売り出す、「うな蒲ちゃん」などを使ったメニューを味わってみては。
自販機設置場所:石川県金沢市尾張町1丁目6-20
(Higuchi)