日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、埼玉県秩父市を写真とともに紹介する。
Vol.38/埼玉県秩父市
秩父市は丸1日を使っても、巡りきれないほどのスポットがある。だから、定番だけれど羊山公園の見晴らしの丘に行こうと思ったら、あれよあれよと交通整理に引っかかり、羊山公園の「見晴らしの丘」ではなく、「芝桜の丘」にいざなわれた。4月中旬、どうやら芝桜が見頃を迎えているらしく、金曜日にも関わらず、車の数もすごかった。
丘一帯に広がる芝桜は見事であった。丘の地形は中央付近が低くなっており、すり鉢状なので、手前の丘の上から、奥の丘の上から、もしくは中央から、どこから見ても芝桜の景色が変わった。そこにピンクと白のグラデーションが加わり、目の前には新しい景色が現れ続けたのだった。
秩父駅、西武秩父駅、秩父神社をはじめとする市街地も歩いた。次々と流れてくる風情ある景色には惚れ惚れする。それに、秩父では有名な曳山祭もある。その日はこの辺りも人でいっぱいになるのだろうか。やはり秩父は、何日もかけてゆっくりと知っていく土地だ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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