静岡県東伊豆町の熱川温泉が6月、伊豆半島ユネスコ世界ジオパークのジオサイト(文化サイト)に登録。
熱川温泉の“湯守り文化”は、静岡県も参画する東アジア文化都市事業にも選定され、熱川温泉旅館組合と東伊豆町は“湯守り文化”の明文化冊子の作製や、温泉祭り「主役は湯守り!」を9月17日(日)~10月1日(日)に実施する。
観光スポットが点在する熱川温泉
静岡県東伊豆町の温泉街「熱川温泉」の最寄駅は伊豆急行線伊豆熱川駅。その伊豆熱川駅から海まで続く坂に、約17の宿泊施設、10の飲食店、熱川バナナワニ園、豊富な温泉を活用した足湯や、お湯かけ弁財天などの観光スポットが点在している。ジオサイト(文化サイト)には、伊豆急行線伊豆熱川駅を中心とした、海岸線から国道135号線までの地域が登録。
登録で重視された“湯守り文化”
ジオサイト(文化サイト)登録にあたって重視されたのは、高温な自噴温泉を管理してきた歴史と、それによって培われた“湯守り文化”だという。熱川の地形の特徴として、約100度の高温な温泉が自噴している。その温泉は美肌の湯といわれる一方、湯の華が付きやすく管理が困難な温泉でもあるとのこと。
しかし、この温泉を活用しようと温泉地全体が試行錯誤を繰り返しながら取り組んできた歴史と、現在も継続する温泉の管理方法などの文化的側面が評価され、熱川温泉のジオサイト(文化サイト)の登録につながったという。
熱川温泉の文化を発信する取り組み
日中韓文化大臣会合での合意に基づき、日本・中国・韓国の3か国において、文化芸術による発展を目指す都市を選定し、その都市において現代の芸術文化や伝統文化、また多彩な生活文化に関連するさまざまな文化芸術イベントなどを実施する「東アジア文化都市」。熱川温泉では東アジア文化都市事業において、さまざまな取り組みを行う。
湯守りの文化は専門性が高く、観光客が理解できる、興味を持てる形で明文化されていないということを解決するための“湯守り文化”にまつわる冊子を作成。また、熱川温泉の温泉ならではの源泉掃除という温泉管理を観光客が鑑賞できるイベントとして整備、開放し、それにまつわる冊子の作成をしたという。
さらに、それらの冊子を英語、中国語、韓国語と日本語を含む4つの言語で展開し、インバウンド向けにも湯守り文化の伝達を図るとのこと。
記念イベント「主役は湯守り!」開催
東伊豆町の既存イベント、9月24日(日)の石曳道灌祭りの前後1週間で、記念イベント「主役は湯守り!」を実施。温泉にちなんだスイーツをキッチンカーで販売、広大な相模湾を目の前にした絶景サウナ、源泉掃除などをメインのコンテンツとしている。
また、石曳道灌祭りでは、道灌太鼓によるオープニングや御石曳、手筒花火、打上花火が楽しめるとのこと。
歴史が紡いだジオサイト登録。そんな熱川温泉でゆっくりと間を過ごしてみては。
■主役は湯守り
開催日:9月17日(日)~10月1日(日)※雨天などで定休日あり
場所:旧高磯の湯(サウナカー)、お湯かけ弁財天横(キッチンカー)、伊豆熱川駅前湯の華ぱぁーく温泉資料館前(キッチンカー)
公式サイト:https://atagawa.net/index.php/topic/home_ja
源泉掃除見学応募ページ:https://atagawa.net/databox/data.php/20230816gensen/code
(miyu sato)