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大塚ローテックの機械式腕時計「7.5号」が技術的価値を認められ国立科学博物館で保存

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7.5号

大塚ローテックの機械式腕時計「7.5号」が、その技術的価値を認められ、国立科学博物館で保存されることが決定した。

「7.5号」は、理工学研究部の科学・技術史資料として保存される。

国立科学博物館の研究関連組織の一つ

理工学研究部は国立科学博物館の研究関連組織の一つで、日本の科学技術に関する資料の調査、保存および研究を行い、そのコレクションは10月2日(月)時点で3万点超に及ぶ。

大塚ローテックの創業者である片山次朗氏は、自身の作品が国立科学博物館で保存されることについて関係者に感謝するとともに、「後世の人にも『面白い時計を作っていた人がいた』と思ってもらえれば嬉しい」とコメントしている。

東京・大塚で創業した時計ブランド


大塚ローテックは、片山次朗氏が2012年に東京・大塚で創業した時計ブランド。同氏は、カーデザイナー/プロダクトデザイナー出身でありながら、ネットオークションで卓上旋盤を手に入れたことをきっかけに機械式腕時計製作を始め、自身の製作した時計に大塚ローテックというブランド名をつけた。

「7.5号」は、時が正時になると一瞬で数字が切り替わるジャンピングアワーウォッチであり、ケース上面の3つの窓はそれぞれ時分秒を表している。

自社製モジュール

「7.5号」は、同氏が設計し、自身の指揮のもと組立を行っている。時計のエンジンにあたるムーブメントは、国産のMIYOTA製ムーブメント82S5をベースに、自社製モジュールを付加している。

また、自社製モジュールは、歯車やバネなど約30点の部品で構成される。「7.5号」は2021年に誕生したが、今回、国立科学博物館で保存されるのは2023年製造の現行仕様品だ。

ウォッチビルダーの片山次朗氏について

片山次朗氏

ウォッチビルダーの片山次朗氏は、かっこいい車に憧れ、デザイン学校を卒業後は自動車デザインの仕事に就く。その後プロダクトデザイナーとして独立し、乗り物やヘルメット、家電製品などのデザインに携わる。

そんな中、たまたまネットオークションで卓上旋盤を手に入れ、見様見真似で金属加工を始める。思いのほか楽しくなってきたが、自宅台所に置いてある旋盤で車は作れない。「そうだ、腕時計のケースを作ってみようかな。」と、時計作りを始めたのが2008年頃、30代半ばであった。

同氏は、時計は道具でありながらも、身に着けて使えることが楽しく、置いてあるだけでも嬉しいことを発見。この頃から自然と腕時計にも車と同じような魅力を感じるようになっていったそうだ。

大塚にある片山次朗氏のアトリエ

同氏は、日々プロダクトデザイナーという本業をこなす傍ら、黙々と機械加工の本を読み始める。そして世界の独立時計師の素晴らしい作品を見つけては、その部品、機構、工具、手法などを独自に調べ真似し始め、いくつかの腕時計を完成させる。2012年にはその販売を始めるまでになり、今に至る。

国立科学博物館で保存されることが決定した「7.5号」を手掛ける、大塚ローテックに注目してみては。

大塚ローテック公式サイト:https://otsuka-lotec.com/
国立科学博物館 理工学研究部:https://www.kahaku.go.jp/research/department/sci_engineer/index.html

(角谷良平)

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