現代芸術振興財団は、ハロルド・アンカート氏の個展「Bird Time」を、10月29日(日)~11月11日(土)の期間、京都・両足院で開催する。
日本で初めて開催する個展
同展覧会は、ハロルド・アンカート氏が日本で初めて開催する個展だ。
ハロルド・アンカート氏は、1980年ブリュッセル生まれ、ニューヨーク在住のアーティスト。個展には「Untitled (there is no there there)」メニルコレクション(ヒューストン、2016)、「Subliminal Standard」キャドマン・プラザ公園(ニューヨーク、2019-20)などがある。
また、『Soft Places』(Triangle Books、2018年)、『Tokyo Private (Un Roman Photo)』(Zolo Press、2019年)など、複数のアーティストブックを出版している。
同氏は今までに日本を何度も訪れ、日本とその国に住む人々との間に特別な関係を築いてきた。2019年に出版した『Tokyo Private (Un Roman Photo)』では、日本中を「グランクラス」で旅する道中での事柄やパーソナルエッセイが記録されている。
同氏の作品は、2017年に同財団の設立者・会長である前澤友作氏のコレクションに加わった。以来、同財団は、ハロルド・アンカート氏の活動の軌跡を辿っている。
寺院建築に合わせた絵画
今回の展覧会では、寺院建築に合わせた絵画シリーズが展示される。
各作品には、架空の世界へと続く円窓が描かれている。展覧会タイトル「Bird Time」は、朝陽が昇り、鳥たちがさえずり始める時間のことを指し、それは同時に、人々が寝醒め、1日の最初に目を開く時でもある。
ハロルド・アンカート氏は、「目覚める瞬間、夢と現実の間のほんの一瞬だけ、まるで初めて視覚を得たときのように、さまざまなイメージが上下関係なく、ひとつのものとして私たちの前に現れる。
この瞬間は画家にとって貴重なものです。なぜならこの瞬間においては、私たちの視野を構成する多くの要素がまだ区別されていないからです。」と話す。
同氏は、絵画を要素のネットワークとして捉え、それぞれのストロークが同じ「水平」の力と権威を共有し、理論的にはそれぞれ等しい役割を果たすと考えている。
同氏の絵画、彫刻、インスタレーションは、自然環境、あるいは人工的環境における人間の体験に基づいていて、様々な美術史的引用や、抽象的な色彩面が特徴。時にはディプティク、トリプティクとして構成されている。
なお、同展の入場にはオンラインによる日時指定予約が必要。展覧会の入場料は無料だが、両足院の拝観料が別途かかる。
日本初公開となるハロルド・アンカート氏の作品を見るチャンス。興味がある人は足を運んでみて。
■「Bird Time」概要
会場:両足院
住所:京都府京都市東山区大和大路通四条下る4丁目小松町591
会期:10月29日(日)~11月11日(土) 13:00~17:00(最終入場16:30)
定休日:会期中無休
URL:https://gendai-art.org/haroldancart_birdtime/
予約申し込み:https://haroldancartbirdtime.peatix.com
(鈴木 京)