日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、群馬県前橋市を写真とともに紹介する。
Vol.90/群馬県前橋市
群馬県の県庁所在地である、前橋市。最初に訪れたのは大室古墳群だ。古墳のうちの4基が国の史跡に指定されている。爽やかな朝に古墳群のある大室公園にたどり着くと、沼の向こう側にちょうど赤城山が見えた。古墳群の中でも最大である「中二子古墳」では、復元された円筒埴輪が並べられていて、古墳があったことを今でもしっかりと感じさせる。
前橋中央通り商店街をはじめ、市街地へ訪れた。広瀬川沿いは歩くことがほんとうに気持ちいい。落ち着く景色だし、川が少し滝のように段差になっているところでは、流れ出る川の音が体を包む。すぐそばのスズラン百貨店辺りにも通じるタイル張りの路面も、前橋の中心部にいることを印象付けさせてくれる。「萩原朔太郎記念 前橋文学館」にも入館した。詩のみならず、音楽や写真も好きな人物だったことを知る。
その後、正田醤油スタジアム群馬で行われたザスパクサツ群馬の試合を観戦した。Jリーグの試合観戦は初めてで、スタジアムに着いたときから溢れている熱気にワクワクした。大人も子どもも、一緒に試合を楽しみにしている様子は、いいなあと。
ク!サ!ツ! とサポーターの熱い掛け声が響く。垂れ幕の中には「源泉の如く」と描かれたものもあって、ユーモアがあり面白い。
いくつかザスパクサツ群馬も決定機を迎えたが、試合結果は惜しくも0-0のスコアレスドロー。選手もファンも勝ちたかったに決まっているけれど、観客のファンも最後は温かな拍手を送る。地元で応援したいチームがあるということが、何より素晴らしいな。いつか、ザスパクサツ群馬もJ1へ。
次回は、群馬県旧北橘村(渋川市)を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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