西口左官は、滋賀県栗東市にオープンしたショールームの杮落しとなる展示会「Sakan/Ukan」を、12月10日(日)〜2024年12月2日(月)の期間に開催する。
新しい価値を創造することを試みる
左官の歴史は古代にさかのぼり、縄文時代には土を積み上げて土塀を作る技術が始まったとされる。その後、飛鳥時代には白塗りの壁や細木を使った壁作りの技術が開発された。安土・桃山時代には、左官の技術が茶道の茶室建築にも欠かせないものとなり、自然素材を用いた空間が重要視された。このように、左官の技術は日本の建築や文化に深く根付いている。
また「左官」の語源は、建築において木材を設計図どおりに加工し組み立てる大工のことを「右官」と呼んでいたことから、それに対し壁塗りの職人を「左官」と呼ぶようになったと言われている。
西口左官ショールームオープニング展「Sakan/Ukan」では、建築家でありながら数寄屋大工として弟子入りしていた経歴を持つ、すなわち右官である佐野文彦氏設計の建築の中で、この展示会のために制作された佐野氏による作品『定まらないもの』を展示する。
それに合わせ、設計前のコンセプトデザイン・プランニングを進めてきた現代美術家・田中英行氏による西口左官の塗りを生かした作品『Nullus』を展示する。
2人の現代美術家、現代の右官と左官によって演出される空間はどのような空間となるのだろう。過去だけではなく現代に紡がれていく次の文化の一部となる本質。そんな新しい価値を創造することを試みる。
展示会への来場は、事前の予約が必要となる。予約をしていない場合、参加を断る場合がある。来場希望の人は、西口左官問い合わせフォームから予約をしよう。
ギャラリートークを開催!
12月10日(日)15:30~16:30に、ギャラリートークを開催する。スピーカーは、佐野氏、田中氏、西口左官の代表取締役・西口哲史氏。後日オンラインにて限定公開される予定だ。トークイベントへの参加は、peatixにて申し込もう。
幅広い実績を持つ西口左官
西口左官は、2006年に独立、2016年5月に法人化し、高度な左官技術の維持と若者の育成を使命としている。左官工事、外構工事、リフォームにおいて幅広い実績を持ち、大規模建築から個人住宅まで幅広い分野で活動。滋賀の自然環境を大切にし、伝統の左官技術を現代に融合させ、次の世代への伝承を追求する。自然の美と伝統的な左官技術を結びつけ、人と自然の調和を新たな風景として創造することを目指す。
西口左官ショールームにて開催される展示会を、この機会にチェックしてみては。
■西口左官ショールーム オープニング展「Sakan/Ukan」
会期:12月10日(日)~2024年12月2日(月)10:00~16:00 不定休
場所:西口左官ショールーム
住所:滋賀県栗東市御園840-1
展示会来場予約:https://forms.gle/YQJqCAsY6bMv3tsY7
12月10日(日)イベント予約(peatix):https://sakan-ukan.peatix.com/
(江崎貴子)