日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、栃木県旧栗山村(日光市)を写真とともに紹介する。
Vol.111/栃木県旧栗山村(日光市)
旧栗山村はとにかく、とっても広いのだ。だから、同じ村とはいえ別の地域として、集落がいくつか分散されている。主には奥鬼怒川エリアと、湯西川エリア。お互いに遠いのだけれど、一方しか訪れないのは後悔しそうで、どちらも訪れることにした。
最初に奥鬼怒川エリアへ。日光市の栗山庁舎があり、さらに西進すれば、川俣温泉などもある。
奥鬼怒川エリアからもう一度踏ん張って、30キロ。湯西川エリアへ進んでいった。湯西川温泉の手前には道の駅があって、そこで日帰り入浴もできるけれど、本来の温泉街はさらに奥にあるので、温泉街まで進んだのだった。
今日はここまで来ることをひそかな楽しみにしていたので、湯西川本館で日帰り入浴が間に合ってよかった。湯船に浸かったとき、「ああ……」と声が出たのは言うまでもない。報われるために旅をしているわけではないが、報われたと感じられる瞬間は、束の間の幸せだ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247/