日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、栃木県旧氏家町(さくら市)を写真とともに紹介する。
Vol.121/栃木県旧氏家町(さくら市)
宇都宮市から鬼怒川を東に向かって渡り、さくら市に入った。桜の名所が多かったことが、新しい市名の由来につながっているという。ただ、何より合併した旧氏家(うじいえ)町と、旧喜連川(きつれがわ)町のそれぞれの町名も、個人的にはとてもかっこよくて好きである。
今宮神社に向かう途中、線路を越えるバイパスから水田を見渡すことができた。時期は田植え前で、田んぼに張られた水が電柱を写し込み、この時期にしかない時間を表していた。
今宮神社に参拝したあと、さくら市役所を訪れる。「国際友好都市」として、アメリカの「ランチョパロスベルデス市」と友好を結んでいるという看板を見つけた。どういう地名の意味なのだろう……。
氏家駅周辺を散策すると、昔ながらの建物もいくつか垣間見ることができた。駅前のロータリーにはゴルフ場の送迎車が数台停まっていて、どうやらこれからゴルフを楽しむ方々がいるようだ。ひとつのまちとはいえ、十人十色の過ごし方がありそうだ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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