障害や難病、病気のある家族の世話や見守り、感情面のサポートをしている「きょうだい」や「ケアラー」の生きる力をサポートするケアラーアクションネットワーク協会(CAN)は、ヤングケアラーが気軽に相談員とチャットする個別相談支援「ほっと一息LINE」を開設し、1月15日(月)から運用を始めた。
4人の相談員が寄り添い丁寧に対応
「ほっと一息LINE」の対象者は、きょうだい児やヤングケアラー、その家族に属する者や保護者、支援者など。
愚痴を聴いてほしい、家族にとって必要な情報を教えてほしい、言葉にできない漠然とした不安がある、家族のことをどうやって友達に打ち明けているか知りたい、就職や進学について相談したい、などの思いを4人の相談員が寄り添い、丁寧に対応する。
相談員は、自身もケアラーである障害者支援施設の支援員、就労継続B型事業所支援員、オンラインイベント進行役の大学生、発達障害専門小児科医の4名で、CAN主催「ヤングケアラーサポーター研修」を受講し認定を受けたサポーターだ。
東北、関東、関西、九州地方から対応しているので、災害時にも対応できるよう配慮している。チャットをすることで気持ちを落ち着かせて気を紛らわせることができるので、活用してほしい。
対応時間は平日18時~22時
「ほっと一息LINE」は、LINEで「お友達登録」をしたら「相談員とチャットする」を押してアンケートに答え、話したい内容を送信すると相談員とチャットをすることができる。
対応時間は平日18時~22時。週末や祝日・夏季休暇・年末年始を除いての短い時間だが、一日のケアが終わりほっと一息つく時間帯に対応している。相談内容は非公開だ。
なお、混雑状況や相談員の待機状況によって翌日以降の返信もあるが順次対応する。緊急時には即対応し、可能な範囲で本人の了承を得て関係支援機関との連携を行う。
中高生ヤングケアラーの要望により開設
CANは、これまで中高生ヤングケアラーやきょうだい児とオンラインで対話をしてきたが、参加する中高生から「自分がヤングケアラーであることに気付きにくい」「相談といわれても何を話したらいいかわからない」といった声を聴いてきたそうだ。もっと気軽に愚痴を聴いてもらいたいという中高生からの要望を受けて、LINEによる個別相談窓口を開設した。
ほっと一息ついて安心する時間を
CAN代表理事の持田恭子氏は『チャットすることに慣れてきたら、オンラインイベントに参加して自分と似たようなケアラー仲間と会ってほしい。「ひとりじゃない」ことを実感して自分の世界を拡げてくれたら嬉しい。』と語る。
「他に誰かが代わってくれるわけじゃない」「家族だから手を貸すのは当たり前」そう思いながら自分の気持ちを抑えていることに気付いていないヤングケアラーやきょうだい児たち。CANは、相談員とチャットをすることで、ほっと一息ついて安心する時間ができることを願っているという。
ケアラーアクションネットワーク協会:https://canjpn.jimdofree.com/
(角谷良平)