日本野菜ソムリエ協会は、農産物のさらなる価値向上を目指す青果物の品評会イベントとして、4月10日(水)に「第3回全国トマト選手権」を開催した。
全国各地の産地から46品のミディアムトマト、35品のラージトマトのエントリーがあり、40名の評価員である野菜ソムリエたちが商品名や産地・生産者情報などをすべて伏せ、そのおいしさを食味のみで審査し、評価員全員の合計点数によって各賞が決定した。
ミディアム部門の最高金賞
ミディアム部門では、トマトらしい濃い味わいが楽しめ、強い甘みがありながらバランスの優れた品種が上位を占める結果に。
最高金賞は、東京都府中市・澤藤園の「さわとまと甘美」が獲得した。
「さわとまと」シリーズは、土の代わりにココナッツのヤシガラを用いて、光合成の効率に着目しつつ、与える水分を上手に制限しながら栽培している。ほかの一般的なトマトとの「差は糖(度)」というコンセプトのフルーツトマトだ。「さわとまと甘美」は、酸味やえぐみが少なく、糖度8~12度と甘みが強い。
評価員からは、「好みの味でした。味が濃いので、いくらでも食べられる。酸味もあるのに甘みが残って飽きない味でした」「ほのかな塩み味を感じ、それが余計に甘さを強めているよう。味が濃く小さくても食べ応えがありジューシー」とコメントを得ている。
ミディアム部門の金賞・銀賞・銅賞
金賞に選ばれた、大分県宇佐市・ひろしま農園の「フルーツトマト」は、糖度と酸味とうまみにこだわったトマト。日々、土に向き合いトマトに向き合いながら、科学的エビデンスに乗っ取った栽培管理をしているという。
同じく金賞の、新潟県新潟市・曽我農園の「越冬トマト」は、新潟県特有の気候である厳寒曇天による越冬ストレスで鍛えているのが特徴。この気温差によるストレスと回復、海水による水分制限を加えることで、筋トレで鍛えた強密度の筋肉のような果実ができあがる。
そのほか、銀賞には、愛知県大府市・山口トマト園の「銀丸山口トマト」と、
群馬県前橋市・岡田淳二さんの「メイビースイート」、
銅賞には、福岡県北九州市若松区・Natureの「三ツ星tomato」と、
愛知県知多郡美浜町・小鈴ファームの「美浜の塩トマト」が選ばれている。
ラージ部門の最高金賞
ラージ部門では、甘み・酸味・うまみのバランスが良いのはもちろん、ジューシーでフルーティーな香りが楽しめる品種が上位に。
最高金賞には、宮城県大崎市・まやまのさとうファームの「まやまのニコニコフルーツトマト」が選ばれた。
「まやまのニコニコフルーツトマト」は、甘みと酸味、そしてうまみのバランスが良く、後から口に広がる香りと甘みの味わいが一番の特徴。贅沢な味わいを楽しみたい人にオススメだ。
評価員は、「濃く、甘い香りと完熟したうまみ、しっかりとした果肉、すべてのバランスが良いと感じる。高級感のある味わい」「うまみが強くて濃厚なトマトです。果肉は硬すぎず、柔らかすぎず、とても食べやすいと感じました。酸味がしっかりなのに甘さもあって、とても好みの味でした」とコメントしている。
ラージ部門の金賞・銀賞・銅賞
金賞は、新潟県新潟市・曽我農園の「越冬トマトラージ」。新潟県特有の気候によって、美味しく育てられている。
同じく金賞は、大分県速見郡日出町・真那井トマト農園生産組合の「トマ王 潮」。土耕にこだわって育てており、収穫したトマトは糖度センサーを使い「トマ王」「トマ王潮」「トマ王潮プレミアム」の3種類に分けて出荷している。
そのほか、銀賞には、三重県多気郡多気町・北川農園の「土力のとまと」と、
福岡県北九州市若松区・Natureの「和炭とまと」、
銅賞には、宮城県大崎市・鹿島台トマト出荷組合 アベーズキッチンファーム「ごほうびとまと」が選ばれた。
次回は「第3回全国ミニトマト選手権」
次回は、5月14日(火)に「第3回全国ミニトマト選手権」を開催予定。
トマト好きの人は、トマト選手権やミニトマト選手権で選ばれたトマトを参考に、自分好みの美味しいトマトを見つけてみては。
第3回全国トマト選手権特設HP:https://vege-fru.com/event/summit/2024/apr/
第3回全国ミニトマト選手権詳細:https://www.vege-fru.com/event/summit/2024/may/
(佐藤ゆり)