「祇園 花街芸術資料館」が、5月15日(水)にオープンする。

祇園甲部歌舞練場にオープン

京都にある五花街のひとつ「祇園甲部(衹園町)」は、祇園社(現八坂神社)の門前町として発展してきた。古来より花見や月見の名所として知られた東山一帯の茶店で接待をする女性たちが、江戸時代になり酒や食事に加え歌舞音曲でもてなすようになったのが、祇園の芸妓の始まりと言われているそう。

明治5(1872)年には、芸妓さん・舞妓さんが総出演する大規模な舞踊公演「都をどり」が創始。その専用会場として、大正2(1913)年に建設されたのが「祇園甲部歌舞練場」で、令和5(2023)年には7年間にわたる耐震改修工事を終え、新たに開場した。

そして今回、この祇園甲部歌舞練場に「祇園 花街芸術資料館」がオープン！花街の文化をわかりやすく伝える常設展示に加え、芸妓さん・舞妓さんとの記念撮影や舞の鑑賞も行える施設となっている。

舞妓さんの化粧道具や持ち物を多数展示

「祇園 花街芸術資料館」について詳しくみていこう。

「花街芸術資料常設展」は、芸妓さん・舞妓さんと花街の文化を、わかりやすく紹介する場所。華麗な手描き友禅の着物や西陣織の帯をはじめ、舞妓さんの化粧道具や持ち物が多数展示されている。季節ごとに変わる簪(かんざし)や、祇園でもめったに見られない正装の黒紋付など、貴重な資料も見ることができる。

大正2年(1913年)につくられ、令和6年(2024年)3月に改修を終えた池泉庭園も見学可能だ。池泉庭園は、周囲の緑を映す池を中心に、「如庵」と名付けられた茶室や石橋が巧みに配置されている。夜間にはライトアップで、異なる表情を演出する。

芸妓さんや舞妓さんと記念撮影も

芸妓さん・舞妓さんによる京舞披露や記念撮影にも注目。

芸妓さん・舞妓さんによる京舞披露では、芸妓さんもしくは舞妓さん1名が、井上流の京舞を披露。普段なかなか見ることのできない優美な舞を、間近で鑑賞できる貴重な機会。常設展で見た内容をよりリアルに感じられるはずだ。

また、インスタントフィルムと自身のスマートフォンで、芸妓さんもしくは舞妓さん1名との記念撮影も楽しめる。インスタントフィルムには芸妓さん・舞妓さんの名前が入った千社札を貼り付け。オリジナルのポチ袋に入れて渡してもらえる。

京舞披露と記念撮影のスケジュールや金額などの詳細は、公式HPで確認してみて。

ドキュメンタリーも上映予定

さらに芸妓さん・舞妓さんが「都をどり」を披露する純和風の大劇場「歌舞練場本館」の一部を特別公開！特設スクリーンにて、「都をどり」のドキュメンタリーも上映予定だ。

また、「都をどり」の関連展示も実施。客席に加え、4月の「都をどり」で舞妓さんが「よーいやさぁ」の始まりの合図とともに歩いた花道を開放する。都合により公開休止となる期間があるため、見学の際は事前に確認しよう。また公開内容は時期によって異なる。

京都の地酒が楽しめるアートバーも登場

そのほか、提灯ライトアップも見逃せない。「つなぎ団子」の紋章が入った赤提灯は、祇園甲部の象徴。伝統的な街並みを照らし出すやわらかな灯りは、なんとも優艶で幻想的だ。各建物の軒下にもこの赤い提灯を吊り下げ、夕暮れ時からライトアップが行われる。

アートバーでは、「都をどり」の歴代ポスターの原画を中心に、芸妓さん・舞妓さんを描いた絵画が展示された大人の空間で、京都の地酒やジャパニーズウイスキーなど、選りすぐりのメニューが楽しめる。

芸妓さん・舞妓さんや祇園甲部、「都をどり」にちなんだお土産を集められたミュージアムショップにも立ち寄ってみて。

料金詳細

入館料は、一般1,600円、高校生以下800円、修学旅行の小中学生に限り400円。未就学児は無料だ。チケットの詳細や注意事項など、詳しくは公式HPで確認しよう。

この機会に、新たにオープンする「祇園 花街芸術資料館」に足を運び、花街の文化を体感してみては。

■祇園 花街芸術資料館
住所：京都府京都市東山区衹園町南側570-2 八坂倶楽部
開館時間：11:00～20:00(入館は19:00まで)
休館日：水曜日/3月中旬～5月上旬、10月中旬～11月中旬/年末年始
入館料金：一般1,600円、高校生以下800円(修学旅行の小中学生に限り400円)、未就学児無料
公式HP：https://gion-museum.com

※時期によって休止となるコンテンツがある。詳細はHPで確認を。
※祇園の祇は本来、ネのねへん

(ソルトピーチ)