織物の名産地である山梨県富士吉田市は、織物を楽しく学べる教科書『ハタオリ学』3,960円(税込)を、「ふるさと納税クラウドファンディング」の一部を活用して製作。5月16日(木)に販売を開始した。
“ハタオリマチ”富士吉田市
富士吉田市は、1,000年以上前の平安時代から織物の名産地として広く知られ、現在も多くのファクトリーブランドが集積する“ハタオリマチ”。
織物を楽しく学べる教科書『ハタオリ学』は、「地域に根ざしたハタオリから、この街独自の面白さやそこから生まれる可能性に気がつくきっかけになれば」と地元の織物職人さんたちによって発案され、全国の人から支援を得た「ふるさと納税クラウドファンディング」の一部を活用して3,000部が製作された。
さまざまな分野の学問の「学びの入口」を用意
『ハタオリ学』は、織物の視点から富士吉田市のルーツなどを捉え、さまざまな分野の学問の「学びの入口」を用意している。
「歴史学」では縄文時代から作られていた布がこの地でどのように発達したのかを追い、「地理学」では四大天然繊維が四大文明とともに育ったことを学べ、「文学」では夏目漱石、芥川龍之介、太宰治といった誰もが知る文豪が「甲斐絹」について綴っている作品を紹介。
このほか、民俗学、音楽、社会学、人類学、機械工学、染色化学、経済学など、各分野とも興味をそそる仕掛けが散りばめられている。
専門的な分野については、ふじさんミュージアムや山梨県産業技術センター繊維技術部など、それぞれの専門家がチェックしており、調べ学習や夏休みの⾃由研究にも対応できる内容となっている。
図書館で貸出し&市内の小中高校に寄贈
こうした内容から、『ハタオリ学』は、市立図書館の蔵書として市民に広く貸し出すほか、市内の小中高校に寄贈。また、高校生が地域の課題解決について考える授業「富士山学」や、小中学生がふるさとについて体系的に学ぶ「富士山学習」の教材としても使用していく。
『ハタオリ学』を通じて、富士吉田市に生まれ育つ子どもたちが、ふるさとへの理解と愛着を深め、同市が誇る織物文化を次世代へと確実に継承してくれるようにとの思いが込められている。
一般販売やミニブックの配布も
『ハタオリ学』は、一般の人向けにも、オンラインショップやハタオリマチ案内所などにて販売中。説明動画もYouTubeにて配信されているのでチェックしてみて。
また、『ハタオリ学』を20ページにまとめたミニブックも併せて製作し、毎月第3土曜日に開催している織物工場の見学会「オープンファクトリー」などで配布する予定だという。
『ハタオリ学』を手に入れて、富士吉田市の織物について学んでみては。
ハタオリマチのハタ印 HP:https://hatajirushi.jp/home
ハタオリマチのハタ印 オンラインショップ:https://hatajirushi.official.ec
ハタオリ学説明動画:https://youtu.be/OVX0ZGbMl6Y
(山本えり)