日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧岩間町(笠間市)を写真とともに紹介する。
Vol.225/茨城県旧岩間町(笠間市)
笠間市街地から続いて訪れたのは、旧岩間町。笠間市街地を南へ下った先にあるまち。ここでは訪れてみたい神社があった。唯一無二、合気道に関する合氣神社だ。市街地の岩間駅からほど近いところに、その合氣神社はあった。シンプルな社殿がスッと建っており、砂利の白さから明るい気持ちになる。「合氣神社」と彫られた碑の近くには、植芝盛平の像も建っていた。植芝盛平は、合気道の創始者である。中学校の授業で合気道があったときに、植芝盛平の話を先生から聞いたなあ。創始者というのは何事においてもすごいと思うばかりだ。
神社以外では、市街地を中心に散策した。昔ながらの戸建ての住宅街や、やや新しい住居が多く並んでおり、落ち着いた時間が流れている。旧岩間町からは笠間市街地も近いし、水戸市や土浦市とも大きく距離が離れていないので、そうした暮らしやすさもあるのではないだろうか。また、岩間駅の正面方向には愛宕山が聳えていた。天狗の伝説が残る山だという。行ってみたい気持ちもあるし、ひとりで訪れるにはちょっと怖いという気持ちもある。けっきょく訪れはしなかったものの、昔から伝わる謂れや伝説というものは、土地に流れる時間そのものであり、非常に大切なものだと感じられる。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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