未経験者向けの学習・転職サポートを提供するプログラミングスクール「DMM WEBCAMP」を運営するインフラトップは、山形県飯豊町と共同で、町内の高校生を対象とした「ものづくりへのデジタル技術体験会」を、7月27日(土)に電動モビリティシステム専門職大学 B/C教室で開催する。
飯豊町の人口減少の問題
飯豊町では、2010年に7,943人(※1)だった人口が、2020年には6,615人(※2)と、人口減少が続いている。
この減少の要因の一つとして、大学進学や就職を機に転出するケースが多いこと、また、大学を卒業してからのUターンや結婚による転入者数が少ないことが挙げられるという。
さらに、飯豊町を含む山形県全体の製造業従事者数が2010年から2020年の間に3.5%(※3)減少しており、飯豊町内総生産の4分の1(※4)を支える製造業の基盤衰退が危惧されている。
インフラトップでは、この状況に対処するためには、労働者人口の維持・増加施策の実施はもちろんのこと、全国的な製造業従事者数の減少予想(※5)に備え、将来の製造業を支えるためのデジタル化推進が不可欠だと考えている。
また、高校生のキャリア意識について「高校生の進路と職業意識に関する調査報告書(※6)」によると、就業体験に関心がある高校生は63.4%と半数以上にのぼるが、実際に就業体験に取り組んでいる高校生はわずか7.4%にとどまるという現状が浮き彫りになっている。
飯豊町の取り組み
そこで飯豊町は、「地元で学び、働き、暮らす」の循環を軸とした持続可能な産業基盤の構築を目的とした「ものづくりキャリア開発プロジェクト」を立ち上げた。
このプロジェクトでは、子どもたちのものづくりへの興味関心を醸成し、将来に関心を持つきっかけとなる体験イベントの実施や、地元の企業への就職と定着を促進するための企業見学プログラムなど、子どもたちが飯豊町で暮らし続けることを前提に、将来の選択肢を考える機会を提供している。
飯豊町の担当者は「若者の人口や主要産業となっている製造業従事者の減少が続く本町において、いかに若者を地域に定着させ持続可能な産業基盤を構築していくことができるのか、大きな課題となっています。幼少期からものづくりの魅力に触れる機会を提供していくことで、子どもたちのキャリア開発に大きな影響を与えていくものと思います。一人でも多くの方にご参加いただき、現代の情報通信技術を活用したものづくりや自動運転技術に応用されるAIなどに触れ、『地元で学び、働き、暮らす』循環を生み出していきたいと考えています」と話している。
高校生向けのデジタル技術体験会を開催
今回開催される「ものづくりへのデジタル技術体験会」イベントは、様々な世代向けにITスキル学習の機会を提供するインフラトップが、現代のものづくりとデジタル技術の緊密な関係を理解してもらい、ものづくりを多面的に考察できる機会を提供するための、高校生向けのデジタル技術体験会。
AIや情報通信技術をテーマにした学習体験を通して、子どもたちに「ものづくりの楽しさ」を実感してもらうことで、地元の産業に貢献する意欲を喚起し、地域経済の持続的発展を促進する一助になることを目指している。
定員は10名で、参加の応募は申込フォームにて受付中。申込終了日は7月24日(水)となっている。
飯豊町について
飯豊町は、山形県の南西部に位置し、総面積の8割以上を山林が占める緑豊かな町。電気部品製造を中心とした企業14社が稼働している東山工業団地や、大手自動車メーカーの自動車部品工場などが所在している。
町の南部に名峰・飯豊山を主峰とする飯豊連峰を配し、豊富な雪解け水を湛える白川が肥沃な耕地を潤しており、屋敷林を携えた家々が田園の中に点在する「田園散居集落景観」は全国でも珍しく、四季折々、朝夕の時間の移り変わりでも多様な美しさを見せる。
飯豊町の労働生産人口不足への対応策として開催される「ものづくりへのデジタル技術体験会」に注目だ。
参加申込フォーム:https://forms.gle/VVCX8myJqFNq5xxw8
※1 平成22年国勢調査人口速報集計結果全国・都道府県・市区町村別人口及び世帯統計表 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/jinsoku/pdf/jinsoku.pdf
※2 )国勢調査令和2年国勢調査速報集計人口速報集計(男女別人口及び世帯総数) https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003433219
※3 平成22年国勢調査産業等基本集計結果結果の概要(https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/outline_02.pdf)と令和2年国勢調査就業状態等基本集計結果結果の概要(https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/outline_02.pdf)を参考にインフラトップで計算
※4 令和2年度市町村民経済計算 統計表(年度別市町村内総生産) https://www.pref.yamagata.jp/020052/kensei/shoukai/toukeijouhou/shimin.html
※5 2023 年度版 労働力需給の推計(速報)労働力需給モデルによるシミュレーション 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 https://www.jil.go.jp/press/documents/20240311.pdf
※6 令和5年6月「高校生の進路と職業意識に関する調査報告書」国立青少年教育振興機構 https://www.niye.go.jp/pdf/houkokusho20230622.pdf
(yukari)