長野県諏訪地域を中心に歴史に根差した地域づくりや文化財保護などの活動を行う「大昔調査会」は、人形浄瑠璃文楽の人気演目『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』の諏訪湖畔での「無料公演」と「映像化」に向けて、7月1日(月)9時~8月23日(金)23時の期間、クラウドファンディングサービスREADYFORにて資金調達を行っている。
伝統芸能を通じて地域文化を広く伝える
2022年、諏訪社神宮寺由来の寺院の仏像や寺宝を一斉公開した「諏訪神仏プロジェクト」。その関連イベントの一つとして、「SUWA×文楽」が計画された。千年余の歴史を持つ岡谷市の古刹・照光寺で、諏訪大明神や諏訪湖にゆかりある人形浄瑠璃文楽『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』が上演され、大きな話題となった。
大反響を受けて、2023年に再上演したほか、諏訪清陵中学校での公演も実施し、子どもたちに伝統芸能を通して地域文化を学ぶ機会を提供した。
そして、3年目の今年、照光寺での公演に加え、物語の舞台となる諏訪湖を背景に、屋外での無料公演と映像化に向けた計画が始動した。
神秘なる諏訪の国で行う特別な文楽公演
諏訪大明神と諏訪湖に捧げる特別な文楽公演は、10月26日(土)に諏訪湖畔公園 特設屋外ステージにて、諏訪圏青年会議所(JC)主催イベントとの連携で開催する。吉田勘彌氏ほか文楽協会所属技芸員、八剱神社 宮坂清宮司が出演し、人形浄瑠璃文楽の人気演目『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』を無料で上演する。
恋する八重垣姫が凍った諏訪湖を翔け抜ける一大スペクタクルを、諏訪湖に隣接する臨場感あふれる会場で文楽協会の技芸員が上演することで、多くの人に諏訪地域の魅力を体感してほしいとの思いが込められている。また、諏訪の文化や魅力を伝えることでの観光促進、未来を担う子どもたちへの文化継承や諏訪湖環境保全への意識醸成も目的としている。
物語の主人公・八重垣姫が駆け抜けられるほど厚い氷が一面に張り、「御神渡り」現象が起きた諏訪湖も、近年は地球温暖化の影響を受け6年連続で「御神渡り」が観測されていない。諏訪湖の浄化と環境保全、地域発展の願いを込めて文楽を捧げる特別な公演となる。
クラファン支援者限定の公演も実施
また、クラウドファンディングの支援者限定で、「照光寺奉上文楽公演」を10月25日(金)に長野県岡谷市の真言宗智山派 城向山瑠璃院 照光寺 本堂にて開催する。
照光寺は、武田勝頼の念持仏との伝承がある「千手観音像(秘仏)」を所有する寺院。その本堂で、勝頼も登場する『本朝廿四孝 十種香の段』より名場面を奉納。諏訪大明神が結んだ奇跡の奉納文楽が実現する。このほか、人形解説などの企画も予定されている。
さらに、クラウドファンディングでは、アーカイブ映像の制作も目標としている。諏訪の歴史と文化を伝える貴重な公演を映像化し、無料で使用できる観光PR映像としてや、地域の未来を担う子どもたちの学習素材として広く活用していく。
諏訪湖畔での文楽の「無料公演」と「映像化」を支援して、未来を担う子どもたちへの文化継承や諏訪湖環境保全へ協力してみては。
READYFOR:https://readyfor.jp
プロジェクト名:SUWA×文楽2024|物語の舞台・諏訪湖に捧げる待望の無料公演へ
SUWA×文楽 公式サイト:https://sites.google.com/view/suwa-bunraku
(山本えり)