福岡県在住のライターが、地域のイベント情報をお届け。今回は、福岡県小郡市で8月6日(火)・7日(水)に行われる「七夕神社の夏まつり」を紹介しよう。
古くから七夕と深い縁を持つ小郡市
福岡県の中央部に位置する小郡市。市の中央部を南北に流れる宝満川を挟み、西側に住宅地帯、東側には田園地帯が広がる。九州最大級の肥沃な筑紫平野に臨む、緑豊かな穀倉地帯だ。
小郡市が「七夕の里」と呼ばれる理由は、その地形にある。中国では、天の川のことを地上に流れる「漢水」になぞらえる。それは「漢水」が天の川と同じように北から南に流れ、その源が天の川に接すると云われているからだという。小郡市にも、漢水と同じように市の中央部を北から南に流れる宝満川が流れており、宝満川を挟んで七夕神社・牽牛社が位置している地理的な位相からも、小郡が七夕と深い縁を持っていることが想像できる。
そんな小郡市では、七夕物語やお祭りが古くから親しまれてきた。「七夕神社の夏まつり」も、毎年開催されている恒例のイベントだ。
全国から寄せられた短冊や、夏らしい催しに注目
8月6日(火)~7日(水)の2日間にわたり行われる「七夕神社の夏まつり」では、子ども神輿などの伝統行事が行われ、境内には七夕飾りや祭り提灯、全国から寄せられた色とりどりの短冊が笹竹に飾り付けられる。
両日とも、お昼頃から露店が並ぶ予定だ。
7日(水)の夜には境内において、恒例イベント「七夕ふれあい劇場」を開催。ダンスやひょっとこ踊り、太鼓、抽選会などが予定されている。
また、夏まつりに伴って短冊奉納も行われる。7月31日(水)9:00~は送付された分の短冊奉納祈願祭が、8月6日(火)10:00~15:00には持ち込み分の短冊奉納祈願祭が行われる。
奉納された短冊は、8月8日(木)10:00~お焚き上げが行われる予定だ。
子どもたちの成長を喜ぶ伝統行事も
さらに8月7日(水)には、ユニークな伝統行事も。5:00〜行われる「獅子追い」では、神社境内を3周まわってから、大崎地区内の新1年生のいる家をめぐる。
男性は黒い獅子に、女性は赤い獅子に頭を嚙んでもらうのが風習だそうだ。
また、小郡市を含む福岡県南部の筑後地方では、子どもが7歳になる歳(小学校1年生の月遅れの七夕の日・8月7日)に、大きなスイカをお供えする風習があるという。「七夕スイカ」と呼ばれる、つるの付いたスイカを小学1年生のいる家庭に祖父母から孫に贈ることが多いそうだ。
スイカには天の神様たちが宿っており、子どもたちが元気に育ち、さまざまな才能を伸ばしてくれると信じられてきた。大きければ大きいほど良いという七夕スイカには「つるのように伸び伸びと、玉のように丸々と育ってほしい」という願いが込められる。
小郡市の伝統を感じられる「七夕神社の夏まつり」で、特別な七夕を楽しもう!
■大崎七夕神社(媛社神社)
住所:福岡県小郡市大崎1
イベント詳細ページ:https://kanko-ogori.net/tanabata-summar/
田中彩文(たなかさあや)
福岡市出身のライター。福岡の好きなところは、どこに行ってもおいしい食べ物と出会えるところ。カフェやパン屋さんめぐり、散歩がマイブーム。