くらすぴっつが運営する児童発達支援事業所「くらすぴっつkids」は、不動コミュニティーセンターで8月3日(土)に「ちびっこ夏祭り」を開催する。
児童発達支援事業所「くらすぴっつkids」
児童発達支援事業所とは、療育(*)が必要と認められた未就学児を対象に、発達に不安のある子どもたちのケアを行い、課題を解決する手伝いをしたり、その家族への支援を行い負担を軽減する公的サービスだ。
「くらすぴっつkids」では、発達障害など、特性によって社会生活に困り感を抱えている子どもたちやその保護者を対象に、応用行動分析(ABA)の理論を用いて、子どもたちの「できる」を増やして保護者の抱える未来への不安を希望に変えていけるようサポートを行なっている。
代表が東京でABA療育を学び、たくさんの子どもたちの成長をサポートしてきた経験から、地元の徳島で同様に質の高い療育ができる支援者を増やして、地域のたくさんの子どもたちが可能性を最大限に発揮できるように事業所を立ち上げた。
「くらすぴっつ」の由来は、「くらす」=子どもたちや家族の幸せな暮らしのお手伝いをする教室(class)、「ぴっつ」=自然にできたくぼみ(pits)だそう。
「みんなツルツルピカピカじゃつまらない!自分にしかない凸凹を活かして、相手の凸凹を補って、みんなでまるっと幸せに暮らせますように」という思いが込められている。ロゴのキャラクターたちはみんなそれぞれの凸凹があり、隣の子の凸凹を補うこともできるようになっている。
「ちびっこ夏祭り」の見どころ
そんな「くらすぴっつkids」は、8月で1周年を迎える。今回、周年イベントとして地域の子どもたちに何かできることを…と考え、夏祭りを企画。地域で子育てを応援したい事業者やボランティアに協力してもらい、親子で1日楽しめるイベントを開催する。
「ちびっこ夏祭り」は、野外ブース、広場ブース、和室ブースの3ヵ所で展開する。
野外ブースには、無添加の食材にこだわって作られたお弁当やスイーツなど飲食ブースが登場。和室ブースでは偏食相談や子育て相談ができ、室内の広場ブースでは親子でワークショップに参加できる。
また、ステージショーもあり、音楽療法の先生のミニコンサートや、大型紙芝居の読み聞かせ、県内で有名な保育士ヒーローのヒーローショーなどを開催。水遊びブースや工作ブースでは、大学生ボランティアのお兄さんお姉さんが全力で子ども達と遊んでくれる。
そのほか、無料で遊べるブースも用意。加えて、イベントの中では、療育について知ってもらったり、特性によって生きづらさを感じる当事者や育てづらさを抱える保護者への理解を深めたりしてもらえるような掲示やアナウンスを行なう予定だ。
「ちびっこ夏祭り」開催の背景や思い
1970年初めに、日本に「発達障害」という言葉が入ってきてから少しずつ世間に広がり始め、現在は誰もが聞いたことのある言葉となった。近年では、普通学級に2、3人は発達障害の可能性がある児童がいると言われている。
また、発達障害の症状は見られるものの、発達障害の診断基準を満たさない状態を指すグレーゾーンという言葉もよく耳にするようになった。
しかし、まだまだ社会からの十分な認知がなく、育てづらさを感じている保護者がたくさんいるという。
そこで今回は、発達障害や療育についての地域での認知を深めることや、出店者や出演者、ボランティアを介して身近に応援してくれている人がたくさんいるということを知ってもらうことを目的として、「ちびっこ夏祭り」を企画した。
さらに、「くらすぴっつkids」の代表は、自身の経験から「問題は一つではなく、複数の事象が重なり合って起こっている」と考えている。例えば、療育が必要な子どもやその保護者の困り感というのは、療育をすれば全て解決できるわけでなく、他にもいくつものサポートが必要ということだ。
同時に、地域には子育てを応援したいと思っている事業者や団体がたくさんある。必要な人に必要なサービスを届けるには、もはや公的サービスだけでは不十分であり、民間の事業者や団体と保護者を繋ぐことで、昔とは違う新たな形で「地域で育てる」ということを実現できるのではないかと考えている。
「ちびっこ夏祭り」を親子で楽しみつつ、特性によって社会生活に困り感を抱えている子どもや保護者について理解を深めてみては。
■不動コミュニティーセンター
住所:徳島県徳島市不動本町2丁目178番地1
くらすぴっつkids ホームページ:https://classpits.com
* 特性を抱えた子どもが社会的に自立して生活できるよう、それぞれの状態に応じた支援をおこなって発達を促すこと
(Higuchi)