日本カーシェアリング協会は、敬老の日に合わせ、高齢者が免許返納等を理由に乗らなくなった車の寄付を広く募集している。
日本カーシェアリング協会の取り組み
日本カーシェアリング協会は、2011年4月、東日本大震災の被災地である宮城県石巻市で設立された非営利団体。自動車の寄付を募り、仮設住宅の住民で車を共同利用するカーシェアリングを開始し、これまで(2024年9月6日時点)に全国の個人・法人から2,260台の車の寄付が協会のもとに寄せられている。
その車を活用した被災地での無償貸出支援のほか、地域の車の共同利用を通じた地域づくり事業であるコミュニティ・カーシェアリングの普及促進、生活困窮者やNPOへの車の貸出支援などを行っている。
車の寄付を「前向き」な選択肢に
長年愛用してきた車を売却や廃車などで手放す際に、約6割の人が喪失感を持つといわれている(※)。
車の寄付は社会貢献に直結しており、愛車を手放すときの「前向き」な選択肢として、喪失感を和らげることができる仕組みだ。免許返納は自身と周囲の安全を守る大切なステップだが、それと同時に、車を寄付することで、さらに社会貢献ができる機会を作ることできる。
寄付した車は、地域内での移動支援活動や生活が厳しい人への支援、災害時の無償貸出支援など、地域社会においてさまざまな形で活用される。
また、廃車予定や動かない車、車検切れの車の寄付も受け付けている。
これから先も元気に走れる車の募集について
これから先も元気に走れる車の寄付(活用寄付)の募集車両は、軽乗用車、普通車、8人乗りの車など。
募集地域は日本全国で、「車検が6ヶ月以上残っている車両」「車齢が15年以下及び走行距離が15万キロ以下の車両」「安全快適に走行ができる」のすべての条件に合致することが必要だ。
廃車予定や動かない車の募集について
廃車予定や動かない車の寄付(廃車リサイクルde応援)の募集車両は、車検が切れている車、長年動かしておらず運転が難しい車、事故車など。
募集地域は日本全国。車を協会が提携する車専門のリサイクル会社が引き取り、部品や素材として再資源化され、その過程で算定された車の価値が、寄付金として協会に寄付される。引取に際しての費用は一切掛からない。
応募方法について
寄付を考えている人は、寄付応募フォームや電話で問い合わせよう。その後、協会より車の寄付、募金の流れについての説明がある。寄付に同意すると協会から書類が送付されるので、必要書類をすべて準備し、協会と車の運搬日についての調整を行い、指定の日時・場所にて車両を引き渡す、という流れだ。
その後、活用できる車両は協会にて速やかに名義変更が行われ、報告が届く。最後に、協会から感謝状の送付と報告が送られる。
また廃車予定の車両や動かない車両については、車両引き渡し後、提携会社にて速やかに廃車・リサイクル処理が実施され、募金額が確定した後、感謝状にて協会から報告が送られるという流れだ。
寄付者の声
活用寄付で寄付した人からは、「免許返納を決めて、廃車する前に使って貰えることを息子から知り、寄付を決めました」「当初、車を手放すのに消極的だった父ですが、寄付した車を活用して頂いている様子には喜んでおりました。活用、よろしくお願いします」「父の軽トラックが(被災地の)復興のために活用されていると思うと私も『頑張ろう』という気持ちになります。今後も何かの形でご協力させて頂きたいです」といった声が届いているそう。
また、廃車リサイクルde応援で寄付した人からは、「今回寄付させていただいた車が他でちがう形で生き返せた事、感謝しています!ありがとうございました!」「亡くなった父の車が、誰かの助けになり嬉しいです」「免許返納で愛車と別れるのは辛いのですが、そのことが困っている方の役に立てるという意味づけがあると慰めになります」という声が届いているという。
免許返納をきっかけに、「前向き」な選択として車の寄付を検討してみては。
車の寄付の詳細:https://www.japan-csa.org/benefaction/car.php
寄付応募フォーム:https://www.japan-csa.org/blog/cardonation
※トヨタコネクティッド調べ「⾞を⼿放すときの寂しさは、どこから来るのか?」(2021.07.09):https://toyotaconnected.co.jp/challengingfor2020/ux_arc02.html
(yukari)