ケーブルテレビをはじめとする放送・通信に携わる事業者のソリューションプロバイダ・シンクレイヤは、伊勢福とZTVと協業し、Augmented Reality(以下、AR)を利用したデジタルスタンプラリーを開発した。
今回開発された「商店猫デジタルスタンプラリー」は、9月14日(土)~29日(日)にかけて、おかげ横丁で開催中の「第30回 来る福 招き猫まつり」を皮切りに体験できる。
背景は、国内DX化の遅れ
2018年に経済産業省が公表したDXレポートでは、日本は他国に比べると様々な領域においてDX化が遅れており、このまま変革が進まなければ競争力が低下し、2025年から年間で約12兆円もの経済損失が発生すると推測されている。これによって観光産業でも、旅行者の利便性向上や周遊促進、生産性向上等を図るため、DX化が進みつつある。
そこでシンクレイヤは、持続的成長に向けた新領域の探索として地域DXサービスの構築をテーマに掲げ、観光産業の一助となるべくARの研究・開発に努めており、「商店猫デジタルスタンプラリー」の開発に至った。
手軽に楽しめる「WebAR」に着目
「WebAR」とは、Webブラウザ上で体験できるARのことで、専用のアプリケーションをダウンロードすることなく気軽に体験できる。
観光地で専用のアプリケーションが必要となると、「ダウンロードをするのが面倒」「アプリを増やしたくない」「外でアプリをダウンロードするとデータの通信料がかかる」などの理由から、離脱に繋がる場合も少なくない。そこで同社は「WebAR」に着目し、スマートフォンで簡単に楽しめるコンテンツを開発した。
全16カ所で体感できる
「商店猫デジタルスタンプラリー」は、おかげ横丁一帯に設置された商店猫パネルをスマートフォンのカメラにかざすと、パネルの猫が飛び出すARが出現。
全16カ所で楽しめるアニメーションを体感できる。
また、商店猫のARと一緒に写真を撮ることが可能で、集めたスタンプの数に応じてフレームに変化が現れるのも魅力の1つだ。
スタンプの数が多いとユーザーが途中で飽きてしまい、最後まで集めることなく終わってしまうことも少なからずあるだろう。そこで、集めたスタンプの数に応じてフレームに変化をもたせることで、ユーザーが最後まで楽しめる仕様となっている。
さらに、インカメモード「商店猫フレーム」では、商店猫の数が変化するだけでなく、自分自身もだんだん猫に変わっていく姿を楽しめるとともに、その姿を撮影できるため、思い出として残すことも可能だ。
紙のスタンプラリーの手間を解決
伊勢福が元々実施していたスタンプラリーは、一般的な紙のスタンプラリーだったため、スタンプ台紙の印刷やその設置、補充といった手間がかかることが課題だったそう。
また、観光客満足度を向上させたいという想いもあり、今回協業でデジタルスタンプラリーを開発し、導入に至った。AR技術最大のメリットであるリアルとバーチャルの融合により、歴史あるおかげ横丁の景観を崩すことなく、エンターテイメントの提供を可能とした。
三重県伊勢市のおかげ横丁で体験できる!「第30回 来る福 招き猫まつり」に行く人は、「商店猫デジタルスタンプラリー」を楽しんでみては。
シンクレイヤ:https://www.synclayer.co.jp
(江崎貴子)