アトリエ ピアノピアは、音楽祭「オールスターミニピアノフェスティバル」を、11月10日(日)に開催する。
ミニピアノでのソロやデュオ演奏のほか、公開レッスンやプロから学べる講座など、ミニピアノの魅力を堪能できる11のプログラムを届けるイベントだ。
古く希少な楽器を修復するアトリエ
アトリエ ピアノピアは、アンティークピアノと足踏みオルガンの専門店。
ヨーロッパ、アメリカ、日本など古く希少な楽器を修復し、その魅力を引き出して、楽器のいのちをつなぐ活動を続けている。
幻の日本の古楽器、ミニピアノ
同社によると、明治36年から昭和初期にかけて、日本で小さな本物ピアノが作られていたそう。
当時ピアノは大変高価だったが、それでも本物のピアノで子どもたちに学ばせたいという人々の夢や希望から、日本の家屋にあう小さなピアノが誕生したという。
しかし通常サイズのピアノが低価格で量産されだすと、繊細なミニピアノは姿を消していった。今となっては、滅多に見ることができず、存在さえも知られていない、絶滅危惧の貴重な楽器、幻の日本の古楽器ともいえる存在になっている。
日本の先人技術者の想いや考えを残したい
大阪でアンティークピアノの修復工房を営む同社は、2015年に40鍵の驚くほど小さなピアノに出会った。
澄んだ柔らかな音色で楽器内部の構造は緻密。小さくても良いピアノを作ろうと奮闘した日本の先人技術者の想いや考えが伝わったと同社は語る。職人技が生み出した天使の音色ともいえるだろう。
しかし近年は、量産ピアノや電子ピアノの普及により、昔丁寧に作られたミニピアノは、修復されぬまま処分され続け、忘れ去られた楽器となっている。
同社では、そんな使い捨ての現代社会に危機感を感じ、後世に価値を残すため、全国に眠るミニピアノを10台探しだし、昔ながらの材料を使い、1台1台丁寧に修復し蘇らせた。
10台のミニピアノを聴き比べられる!
同社はミニピアノを修復する歳月の中、この楽器に魅了された6人の音楽家に出会い、11月10日(日)に大阪市中央公会堂にて、ミニピアノフェスティバルの開催に至った。
松本楽器のミニピアノや、日本楽器(現ヤマハ)のグランド型のミニピアノ、河合楽器のミニピアノなど、10台のミニピアノを聴き比べられる貴重な機会だ。
また、同イベントの博物館では、ミニピアノのほか、世界中の小さな歴史的鍵盤楽器も展示される予定。
日本の文化から誕生した古いミニピアノの魅力を伝えたいという同社の試み。足を運んで、耳で目で体感してみては。
■「オールスターミニピアノフェスティバル」概要
日時:11月10日(日)昼の部12:30~、夕の部17:00~
会場:大阪市中央公会堂 3階
住所:大阪府大阪市北区中之島1-1-27
出演:砂原悟さん、平井真美子さん、川口成彦さん、keipyanさん、Atsushi Asadaさん、イマイアキさん
料金:1日通し券6,500円、昼の部・夕の部ともに各4,000円
公式サイト:https://minipianofes.jimdofree.com
(鈴木 京)