日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧志津川町(南三陸町)を写真とともに紹介する。
Vol.328/宮城県旧志津川町(南三陸町)
この日は石巻市を出発し、南三陸町と気仙沼市を目指す。宮城県の旧市町村一周の旅もこれで最後であり、ラストスパートだ。
まずは石巻市街地から、南三陸町の旧志津川町へ。およそ40kmの移動だった。内陸には山と田んぼの緑豊かな風景が広がり、海は三陸海岸のリアス式海岸で入り組んでいた。町役場も位置しており、観光地としては「南三陸さんさん商店街」が有名だ。さんさん商店街へ以前訪れたのは2018年のことで、とても久しぶりだったけれど、今回も訪れてみることにした。
さんさん商店街はいろんな海の幸の看板が並んでいて、じっくり買い物にハマってしまったら、なかなか抜け出せない。商店街の横には橋もかかっていて、下流側には海が広がっていたけれど、その海の奥には山並みも連なっていて、さすが三陸海岸だと。
外観の美しい南三陸311メモリアルという施設もあった。参加型のラーニングプログラムが複数あり、震災に関係する行動や判断を考えたりすることができる。災害を自分ごととして考えることは、簡単なようで簡単ではない。災害を経験したことがないと、自分ごとではないままだから。そして、災害を経験したときに、あとから気づいていく。それを防ぐための施設だと思う。まさに自分にもあてはまることだ。プログラムは時間も要するので、ここへ訪れる目的で、あらためて再訪したい。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247