フェアトレードに取り組むパルシックは、10月25日(金)~27日(日)の期間、東京ビッグサイトで開催される「GOOD LIFE フェア 2024」に出展している。
東ティモール産有機コーヒーや有機ハーブティー、スリランカ産有機ルフナ紅茶、有機アールグレイ紅茶、サリーをアップサイクルした雑貨などのフェアトレード商品を販売。
コーヒー業界初のシールドプラスをパッケージに採用した有機コーヒー カフェ・ティモールも、実際に手に取ることができる。
東ティモールのコーヒー生産者を支援
東ティモールが独立を果たした2002年当時、東ティモールから輸出できるものはコーヒーしかなく、パルシックは人びとの生活を支えるためコーヒー生産者の支援を始めた。
東ティモールには13の県があり、そのうち6県でコーヒーが栽培されている。パルシックはアイナロ県マウベシ郡でコーヒー生産者協同組合コカマウと共に、品質の良いコーヒー生産に取り組んでいる。
マウベシは標高1,200~1,800メートルの山間部に位置し、日中の陽射しの強さに比べて朝晩の冷え込みが激しい地域だ。
また年間降雨量も比較的多く、おいしいコーヒーが育つ条件に恵まれている。近年では老朽化した木の植え替え、土壌改良、木の手入れを専門家から学びながら、品質改善につとめている。
環境負荷を抑えたパッケージへリニューアル
東ティモール産有機コーヒー カフェ・ティモール(粉/豆)は、2023年に環境への負荷を抑えたパッケージへとリニューアルした。
採用した包材は、コーヒー業界での使用は日本初となる「シールドプラス」。外側は紙の素材で、内側はヒートシール層をラミネート加工して作られたもので、コーヒーの品質を保ちながら、CO2の排出量が従来の包材より34%ほど削減したという。
プラスチック素材の使用量が減り、リサイクル表示は「紙」となる。
小規模紅茶農家グループを結成し有機紅茶を栽培
2004年、約30年続いた内戦とインド洋津波で大きな被害を受けた北部の漁村から、パルシックはスリランカでの活動を開始した。内戦では漁村地域の女性たちの多くが、夫や父親など一家の稼ぎ手を失った。
女性たちが、自ら技術を身に着け収入を得られるように、ミシンの提供、縫製技術研修を行い、古着のサリーを利用したアップサイクル製品を作っている。
2011年からは、スリランカ南部デニヤヤで、小規模紅茶農家グループ「エクサ」を結成し有機紅茶栽培に取り組んでいる。
紅茶農家から、「化学肥料や農薬の使用で自分たちにも健康被害が出ている、有機栽培に転換したい」と相談を受けたことが始まりだ。
シンハラージャ環境保護区に隣接するデニヤヤは、周辺地域の重要な水源地帯にもなっていることから、スリランカ政府も地域住民もこの地域の環境問題への関心を高く持っている。
今年度からは、有機紅茶の生産性を上げる新たなプロジェクトを開始している。
スリランカ南部のルフナ紅茶とアールグレイ紅茶
ルフナエリアと呼ばれるこの地域で産出される紅茶は「ルフナ紅茶」として知られ、コクと甘み、きれいな水色(すいしょく)が特徴だ。
エクサの農家が出荷する生茶葉は、有機茶葉を専門に扱う近隣の工場でその日のうちに加工され、コロンボの工場でパッキングを行い日本へ輸出される。
「有機ルフナ紅茶」、ベルガモットの香料で着香した「有機アールグレイ紅茶」とともに日本国内で販売している。
パルシックの活動と思い
パルシックは、活動を「国際協力」ではなく、国境を越えた市民と市民との協力、「民際協力」と呼んでいる。
困難な状況にある人びとに対して、持続可能な自立的な暮らしと経済を成り立たせるため、段階的な息の長い活動をおこなっている。
さらに、支援を通じて商品化されたものをフェアトレードで日本にも輸入し、販売しています。地域の人びととの信頼関係に基づく地域に根付いた活動を進めている。
そして、「支援する側」「支援される側」という関係から、互いに支え合う関係づくりへとつなげる。
コーヒーや紅茶、あるいはフェアトレードに興味がある人は、「GOOD LIFE フェア 2024」を訪れよう。
■GOOD LIFE フェア 2024
会期:10月25日(金)~27日(日)10:00~17:00(初日は18:00まで)
会場:東京ビッグサイト 南1-4ホール
パルシックブース:南1ホール マルシェエリア内 4番ブース
住所:東京都江東区有明3-11-1
公式サイト:https://goodlife-fair.jp
パルシック公式サイト:https://www.parcic.org/index.html
パルシック公式オンラインショップ:https://parmarche.com
(佐藤 ひより)