鹿嶋市のふるさと納税返礼品に、鹿島在来大豆が原料の新作和菓子「千年羊羹」が加わった。
持続可能な和菓子の形「大豆羊羹」
鹿嶋市は、茨城県の南東部に位置し、東に太平洋、西に北浦(霞ヶ浦を構成する湖のうちの一つ)を臨む豊かな自然環境に恵まれたまち。古くは常陸国一之宮「鹿島神宮」の門前まちとして栄え、昭和30年代後半以降は鹿島臨海工業地帯を中心とした工業のまち、近年はプロサッカークラブ鹿島アントラーズのホームタウンとして全国に知られている。
鹿嶋市内にある創業200年以上の老舗和菓子店「丸三老舗」の代表・笹沼和彦氏は、かねてより、昨今の異常気象が原因の「小豆」の品質や供給の不安定化を懸念しており、持続可能な和菓子の形を探っていた。そんな中で注目したのが「大豆」だ。
「丸三老舗」は、以前から親交のあった鹿嶋パラダイスの唐澤氏が自然栽培している有機認証付きの自然栽培鹿島在来大豆を使用した「大豆羊羹」の共同開発をスタート。「大豆羊羹」で、日本国内外の和菓子業界に新たな風を吹き込みたいと考えたそう。
そこで「丸三老舗」は鹿嶋市に「ふるさと納税の返礼品化を前提とした新商品プロデュース」を提案。鹿嶋市はこの提案を受け、企画の検討を開始することに。
鹿嶋市は最終的に、クオンと2021年から運営するファンコミュニティ「KASHIMA Colorful Base」を活用して、広く全国に住むオンライン鹿嶋市民(コミュニティユーザー)と一緒に、新商品の商品名とパッケージデザインを創り上げていくこととした。
なお、クオンは、企業・自治体と生活者をつなぐオンラインコミュニティの構築と運営・コンサルティングを行う会社。1996年の創業以来、累計300超の企業や自治体のファンコミュニティを手がけている。
商品名の募集・パッケージデザインは投票で決定
「KASHIMA Colorful Base」は、12月2日(月)時点で登録者数55,819人、市外在住者が99%を超えるというファンコミュニティだ。
前述の「大豆羊羹」については、「KASHIMA Colorful Base」にて、『\鹿嶋市とガチ共創!/鹿嶋市産「オーガニック大豆羊羹」のネーミングを一緒に考えよう♪』、『\鹿嶋市とガチ共創!/お好きなパッケージデザインを選ぼう♪鹿嶋市産の「オーガニック大豆羊羹」』の2本の企画が実施され、商品名とパッケージデザインが決定した。
企画によって決まった商品名は、「千年羊羹(せんねんようかん)」。「千年先を見据えた羊羹」「千年先の人々も美味しいと言ってくれる羊羹」という意味が込められている。
デザインは、古くから愛されてきた伝統的な要素を取り入れつつ現代的な感覚を加えることで、伝統と革新を融合させ、力強さの中にも洗練された品質を表現しているという。
今回のプロジェクトは、ふるさと納税が「返礼品のお得競争」になりつつある今、農産物や伝統的な和菓子を取り巻く社会課題解決のために、ふるさと納税とオンラインコミュニティを活用し取り組みとなる。
ふるさと納税サイトにて先行予約受付中
12月14(土)現在、「千年羊羹」は、鹿嶋市のふるさと納税返礼品として寄附を募集中だ。寄附金額は6,000円(返礼品は3本セット)で、12月4日(水)から、楽天ふるさと納税ほか、鹿嶋市ふるさと納税各ポータルサイトにて先行予約受付中だ。
発送は2025年1月以降が予定されており、「丸三老舗」店舗および「丸三老舗」ECサイトでは、 2025年1月以降順次購入可能となる。販売価格は1,620円(税込)だ。
オンライン市民とオフライン市民が共創した、「千年羊羹」をこの機会に味わってみては。
(オガワユウコ)