
「人とテクノロジーで地域の変化のチカラとなる」をミッションに掲げるアイムービックが、Core-Supportと共同で展開するクマ対策ソリューション『クマミるAI』と、アルカディアが提供する防災情報配信システム『SpeeCAN RAIDEN(スピーキャン・ライデン)』とのシステム連携を開始した。『SpeeCAN RAIDEN』は全国850以上の自治体で採用されている信頼性の高い情報配信基盤だ。この連携により、『SpeeCAN RAIDEN』を導入済の自治体であれば、既存の配信設備をそのまま活用可能。新たな大規模システム開発を行うことなく、即座にクマ対策のDXが実現可能だ。
クマ目撃からのタイムラグをなくすため
昨今、クマの出没エリアは山間部から市街地へと拡大しており、人的被害は過去最多のペースで増加している。しかし、従来の人による対策では、クマの目撃通報から現場確認、住民への周知までに大きなタイムラグが生じ「防災無線が流れる頃にはクマは移動している」といった問題があった。また、24時間365日の監視体制を人の目だけで維持するのには限界がある。
今回の連携により、このタイムラグの短縮を実現。『SpeeCAN RAIDEN』を導入済の自治体であれば、契約・連携設定のみで即座に「AIによる自動検知ネットワーク」を実装可能。そのため、「来春の出没時期に間に合わせたい」という緊急のニーズにも迅速に対応可能だ。連携オプション費用については問い合わせをとのことだ。
このシステムではカメラがクマを検知すると、位置情報や日時データを元に、AIが住民通知用のメッセージ文案を自動生成する。担当者は『クマミるAI』の管理画面から内容を確認・承認するだけで、『SpeeCAN RAIDEN』を通じてメール、LINE、防災行政無線、電話(音声合成)など、住民が利用する多様な媒体へ一斉配信が可能となる。緊急時の入力の手間を省き、避難誘導までの時間が最小化できるのだ。
ただし、すべてをAI任せにするのではなく、担当者がカメラ映像でクマであることを確認してから配信ボタンを押す「半自動化」フローを採用しているため、イノシシ等の誤検知による住民のパニック(空振り)を防止。ヒューマンエラーのない確実な情報伝達をサポートしてくれるのだ。
『クマミるAI』での映像検知から避難情報発信までのフロー

『クマミるAI』での映像検知から『SpeeCAN RAIDEN』による住民配信までのフローは、こうだ。まず、『クマミるAI』カメラで検知後、Webダッシュボードからクマ出没情報を確認する。

次に、Webダッシュボードから各種情報を選択し、配信メッセージを生成する。

配信ボタンの選択により、住民へ避難情報を即時に発信。さまざまな媒体で一斉配信が可能だ。
AIクマ検知システム『クマミるAI』とは

『クマミるAI』は、中山間地域等の電源・ネット回線がない場所でも設置可能な「遠隔監視ソーラーカメラ」と「AI検知」を組み合わせたAIクマ検知システムだ。
ソーラーパネルとSIM内蔵カメラのため、電源・回線工事は不要。設置したその日から監視を開始できる。また、AIがクマを検知してからリアルタイムでの通知が可能。最短3分程度でLINE通知を送ることができる。そのほか、クマの出没データを蓄積・分析するため、人とクマの生活圏を分ける「ゾーニング(緩衝地帯管理)」などの予防策立案も可能とのことだ。
『SpeeCAN RAIDEN』でできること

『SpeeCAN RAIDEN』は、音声合成ソフトウェアSpeeCANを音声合成エンジンに搭載した一斉同報のインターネット・サービス。インターネット・ブラウザから文字を入力するだけで、電子メールの配信、合成音声による電話の自動発信、FAXの自動送信、SNSへの配信を一元的に行うことができる。また、気象警報やJ-ALERTからの信号と連携することも可能。さらにメールや電話だけでなく、防災行政無線や緊急速報メールなどに自動配信する機能も提供している。
『SpeeCAN RAIDEN』は、現在、来春の本格稼働に向けた先行導入プロジェクト(限定20台)を募集している。導入の緊急性を考慮し選考の上で決定しているそうなので、お問い合わせフォームより連絡してみては。
クマミるAI:https://www.eyemovic.com/solution/kumamiru
SpeeCAN RAIDEN:https://www.arcadia.co.jp/products/speecan_raiden
SpeeCAN RAIDENお問い合わせフォーム URL:https://docs.google.com/forms/d/1GKLWqbubSUpXkVMh6Z3cVIqs-rjRNdHRL1lOgZrbTtE/edit
(熊田明日良)