
新潟県柏崎市宮之下地区にて、1月に自社醸造開始を予定している弥栄(いやさか)醸造は、「直売所兼テイスティングバー」を併設するための改修資金を募るクラウドファンディングを、2月28日(土)の23:59まで、CAMPFIREにてAll-in方式(目標未達でも実施)で実施している。
弥栄醸造の社名の由来
社名の「弥栄」は、日本古来の言葉で「ますます栄える」という意味を持つ。造り手だけでなく、原料をつくる農家や届ける酒販店、それを飲む人や地域に関わるすべての人の暮らしが、それぞれのかたちで豊かになっていく、そんな願いを込めてこの名を冠したそう。
弥栄醸造が目指すのは、「酒で地域と人をつなぎなおす」こと。酒蔵を単なる製造拠点にとどめず、農業・食・観光・文化など、多様な領域を結びなおす“文化の交差点”としての役割を担っていくという。
「十割麹酒」を軸にした新たな醸造文化の提案に挑戦

弥栄醸造の中心商品は、「十割麹酒」と呼ばれるスタイルの酒。これは、使用するすべての米を米麹にするという製法で、一般的な日本酒が原料米の約20%程度を麹にするのに対し、その比率を100%としている。
結果として生まれる味わいは、酸味・甘味・旨味のバランスが際立ち、濃厚かつ個性的。酒税法上は「日本酒」として分類されないため、「その他の醸造酒」としての免許での製造となるが、それでもなお、地域の気候風土や日本の技術を活かしてつくられるこの酒には、確かな独自性と自由な可能性があるという。
弥栄醸造は、制度的な制約を逆手にとり、「十割麹酒」を軸にした新たな醸造文化の提案に挑戦する。
覚悟を込めたブランド名「ITTEKI」

弥栄醸造の立ち上げにあたり、展開される酒のブランド名は「ITTEKI(⼀擲)」。この名前は、四字熟語「乾坤一擲(けんこんいってき)」に由来するという。「天地の運をかけた一投」、すなわち“人生を賭けた大勝負”を意味する言葉だ。
この言葉は、代表の坂本氏が、成人式の折に恩師から贈られた色紙に記されていたもので、以降、人生の節目でたびたびその言葉に背中を押されてきたという。
坂本氏は、東京での酒販業務を経て、2021年より新潟の阿部酒造で酒造りを学び、2024年には阿部酒造の設備を借りた委託醸造酒の販売を開始。そして今年冬、いよいよ自らの蔵で自らの酒を造る。その覚悟を一滴に込め、「ITTEKI」と名付けたという。
地域の営みとつながる“村づくり”としての酒蔵

弥栄醸造の舞台となる「宮之下」は、新潟県柏崎市の山あいにある人口数十人ほどの集落。高齢化が進み、耕作放棄地や空き家が増える中、代表の坂本氏はこの地に移住し、古民家をリノベーションして蔵を立ち上げた。

2024年秋の稲刈り時、左から、坂本氏と生産組合の人々
単なる酒造業ではなく、地域の営みとつながる“村づくり”としての酒蔵運営。外から人が来て、地元の人が笑顔で語らう。そんな風景を酒を軸に再構築することが、弥栄醸造の本質的な目標だという。
酒を通じて人と地域が緩やかにつながる仕組みづくり
弥栄醸造の酒蔵内に併設される「直売所兼テイスティングバー」では、地域の人々と訪れる人たちが自然に集える場所として、酒を通じて人と地域が緩やかにつながる仕組みづくりを目指している。
この「直売所兼テイスティングバー」での整備費用を募るプロジェクトは、単なる建物整備にとどまらず、地域と人、文化と営みを結ぶ「酒のある風景づくり」の第一歩となる。
代表社員・醸造家 坂本一浩氏の経歴

弥栄醸造の代表社員・醸造家の坂本一浩氏は、神奈川県横浜市出身。大学卒業後、菊正宗酒造で営業職を経験し、日本酒ベンチャー「未来酒店」では、副店長・店長として複数店舗の立ち上げと運営を担った。
2021年9月からは、新潟県柏崎市の阿部酒造で研修生として酒造りを学び、2024年8月に弥栄醸造を設立。今年冬から柏崎市宮之下にて、古民家を活用した自社酒蔵での醸造を開始予定だ。
十割麹で仕込む「ITTEKI」シリーズを展開し、清酒免許に頼らず、米と米麹だけで新たな酒文化を切り拓く。地域の農や暮らしと深く結びついた酒造りを通じて「弥栄=繁栄」を掲げ、地域と人が共に栄える未来を描いている。

2025年5月、坂本氏と田植えに集まった人々
地域と共に歩む酒づくりに挑戦する弥栄醸造の、「直売所兼テイスティングバー」整備のためのプロジェクトを応援してみては。
CAMPFIRE:https://camp-fire.jp/
プロジェクト名:新潟・柏崎の醸造所に直売所&Barを作り、多くの方に訪れてもらえる酒蔵にしたい!
■弥栄醸造
所在地:新潟県柏崎市石曽根1563-1
弥栄醸造 坂本一浩氏のnote:https://note.com/ikko2535
(yukari)