
完成予想図
Local Designは、自社取得したマンションの一室をリノベーションするプロジェクト「ロワールマンション大橋」を公開した。不動産取得から企画、設計、施工、販売までを一貫して手がけ、住み手が暮らしを自分の手でつくり上げていくことを追求した住まいである。
単なる刷新を超えた理想の追求

完成予想図
近年高まる中古マンションの需要を受け、リノベーションプロジェクト「ロワールマンション大橋」は設備や内装デザインの刷新にとどまらず、間取りを大幅に変更することで、住み手が暮らしを自分の手でつくり上げていく「理想の住まい」を追求した取り組みだ。

コンセプトは「私と、時間を深める家」。住まいを単なる日常の場ではなく、自らの感性を満たし、人生をより楽しむための場所として捉えている。あらかじめ用意された機能に暮らしを合わせるのではなく、住み手自身が日々の過ごし方を組み立てていく。そんな暮らしを「企てる」ための「余白」が大切にされている。
プロジェクトの特徴


「暮らしを企てる」という世界観を実現するため、3つのポイントが設計に取り入れられた。
1つ目は、暮らしの選択肢を広げる「土間」。玄関から続く広々とした土間空間は、機能を限定しない「余白」の場所。創作に没頭する場、あるいは大切な人を迎える場として、住み手の暮らし方に合わせて自由なレイアウトを作り上げることができる、クリエイティブな土台となる。
2つ目は、包容力のある「曲線」。やわらかな印象を与える曲線的な要素を設計に取り入れ、壁による仕切りがありつつも、角のない「丸み」を効果的に用いる。これにより、視覚的な奥行きと開放感がもたらされる。暮らしの動線を緩やかに導くこの曲線は、住み手の想像力を刺激し、暮らしの中に穏やかなリズムと心地よい安心感を与える。
3つ目は、境界を再構築する「地続き」だ。この住まいには専用の庭があり、暮らしの一部として取り込むことで、内と外が溶け合うような連続性のある構成を実現した。室内外の境界をゆるやかにつなげ、暮らしの領域を屋外へと拡張。日々の暮らしに伸びやかな開放感と、自分らしく過ごすための豊かな余白を与えてくれる。
なお、物件の築年は1983年2月。登記簿面積は50.17㎡(15.17坪)で、RC造 地上6階建 1階部分となる。
設計者が込めた「暮らしの奥行き」を生み出す仕掛け

設計者は、この住まいに込めた想いを「限られた空間の中に、暮らしの奥行きをどのように生み出すか」という点だと語る。
「部屋数を増やすために空間を細かく分断するのではなく、暮らしがゆるやかにつながっていく構成を目指しています。朝日の入り方、庭へ出る一歩、誰かを招く夜。そうした日々の営みを起点として、住み手が自らの暮らしを編集し、楽しみを広げていける『土台』のような場所。ここでの時間が、住み手の個性を引き出し、自分らしい暮らしを育む豊かな『器』になればと願っています(一部抜粋)」とコメントしている。
土間の広がりや庭との一体感。「ロワールマンション大橋」が生み出す「器」がどのようなものか、現地で体感してみてはいかがだろうか。
■ロワールマンション大橋 (105号室)
所在地:福岡県福岡市南区向野2-6
アクセス:西鉄天神大牟田線「大橋」駅徒歩7分
Local Design公式HP:https://ldhd.co.jp
(Kanako Aida)