
江戸東京博物館は、6月23日(火)より、リニューアル記念特別展「洋館 明治の夢と挑戦」を開催する。
200点以上の資料で洋風建築を紹介
「洋館 明治の夢と挑戦」は、急速に展開・普及した明治期の東京の洋風建築について、その受容から本格的西洋建築の成立までの様子を取り上げる。
大工棟梁による「擬洋風建築」、外国人技術者による非本格的洋館や外国人建築家たちの手がけた本格的西洋建築、工部大学校卒業生等の挑戦、そして皇族や上流階級のための大邸宅にいたるまで、日本の建築史上稀にみるこの大変革の時代の多彩な成果を活写。
また、国宝・重要文化財や日本初公開資料、そして立体的な空間演出によって「当時の人々が感じた驚き」そのものを再現しようという試みになっている。
都市の風景を立体的に再現

第⼀国⽴銀⾏ 1872-1880年(明治5-13)頃 東京都江戸東京博物館蔵
同展では、第一国立銀行、鹿鳴館、兜町渋沢邸などの明治の建築を立体パノラマで再現。立体パノラマによる都市風景の再現展示が各章に用意され、明治の東京を体感できる内容となっている。
国宝・重要文化財、日本初公開資料などを公開

「営繕記」(『東京出府記』より)国宝附 国宝旧開智学校校舎蔵【展示期間:6月23日(火)-7月12日(日)】
同展は、建築図面だけではなく、国宝や重要文化財を含むドローイング、錦絵、模型、古写真、絵葉書、家具、建築部材等々、多種多様な資料で展示空間を構成。

「国会議事堂案 外観透視図」 エンデ&ベックマン/作 1887-8年(明治20-21)頃 ベルリン工科大学建築博物館蔵 Architekturmuseum der Technischen Universität Berlin, Inv. Nr.20190
また、ドイツのベルリン工科大学建築博物館が所蔵するエンデ&ベックマンによる幻のプロジェクト「官庁集中計画」関連資料「国会議事堂案 外観透視図」など5点は、日本初公開となる。
幅広い層が楽しめる充実の企画内容

第一国立銀行 シャンデリア 江戸東京たてもの園蔵(現・三井八郎右衞門邸)
建築史の専門家によるこれまでの研究成果を活かした、江戸東京博物館ならではの企画により、日本近代建築史における明治の洋館の数々をわかりやすく紹介。大人から子どもまで幅広い層が楽しめる展覧会となっている。
第1章 ナマコ壁と擬洋⾵建築

「江戸築地保互留之図」 1868年(明治元) 東京都江戸東京博物館蔵【後期:7月28日(火)-8月23日(日)】

「東亰海運橋第一国立銀行の全図 并近円の市中一覧の図」 歌川芳虎/画 1876年(明治9) 東京都江戸東京博物館蔵【後期:7月28日(火)-8月23日(日)】
展示構成の第1章では、ナマコ壁と擬洋⾵建築を紹介。なお、擬洋風建築とは、江戸時代以来の大工が明治初期に見よう見まねで作った和洋折衷の建物をいい、東京初の洋館・築地ホテル館や第一国立銀行などが該当する。
2章 建築家がやってきた

「新橋ステンシヨン」 ⼩林清親/画 1881年(明治14) 東京都江戸東京博物館蔵【前期:6月23日(火)-7月26日(日)】

「武蔵百景之内 江戸橋より日本橋の景」 ⼩林清親/画 1882年(明治15) 東京都江戸東京博物館蔵【前期:6月23日(火)-7月26日(日)】
第2章では、外国⼈建築家と「都市⾵景」を紹介。

鹿鳴館 軒先飾り(持送り) 東京都江戸東京博物館蔵
イギリス人のジョサイア・コンドル、ドイツ人のヘルマン・エンデ、ヴィルヘルム・ベックマンらつくりだす建物は、擬洋風建築とはひと味違う本格的なものとして、都市・東京の風景を壮麗に刷新した。
第3章 開花する洋館の明治

「⽇本銀⾏落成之図」 篠原清興/画 1896年(明治29) 東京都江戸東京博物館蔵【前期:6月23日(火)-7月26日(日)】
明治12年(1879)、ジョサイア・コンドルが育成した日本人が工部大学校造家学科(現・東京大学工学部建築学科)を卒業し、日本人最初の建築家4名が誕生。

「中央停車場建物展覧図」 1911年(明治44)頃 鉄道博物館蔵
片山東熊の表慶館(明治41年)、曾禰中條建築事務所の慶應義塾図書館(明治45年)、辰野金吾の中央停車場(現・東京駅、大正3年)などは国の重要文化財に指定されている。
第3章では、日本人建築家たちの果敢な挑戦の軌跡を、現存する建物や失われた作品から見ることができる。
第4章 羨望の住処

東宮御所 彩鸞の間(『東宮御所写真帖』より) 小川一真/撮影 1909年(明治42)頃 東京都江戸東京博物館蔵
明治の建築家たちに課せられた使命の中心は、国家を飾る大建築を設計することだったが、時に邸宅も重要な創作の対象となり得た。また、ジョサイア・コンドルのように、邸宅を得意とする建築家も少数ながら存在した。
第4章では、明治期に建てられた邸宅の群像を、古写真や絵画資料、残された家具、空間の再現などから描く。

東宮御所 彩鸞の間 花台付円椅子 博物館明治村蔵 ©博物館明治村

有栖川宮邸 舞踏室 長椅子 博物館明治村蔵 ©博物館明治村
また、東宮御所で実際に使用された家具や、洋館・有栖川宮邸で使われた貴重な現存家具の展示もある。
楽しく学べる学習コーナーを設置

工部大学校 卒業生集合写真 辰野家蔵
同展では、明治の洋館や建築家たちについて楽しく学べるコーナーを設置。また、展覧会関連書籍の発行も予定している。日本近代建築史の教科書的内容として、個性豊かな明治の洋館をとりまく数々のトピックを取り上げる。
開催概要
「洋館 明治の夢と挑戦」の会期は6月23日(火)~8月23日(日)で、観覧料は一般1,600円、大学生・専門学校生1,280円、65歳以上800円。なお、チケットの販売は江戸東京博物館のみとなっている。
この夏、江戸東京博物館に足を運んでみては。
■江戸東京博物館リニューアル記念特別展「洋館 明治の夢と挑戦」
会場:東京都墨田区横網一丁目4番1号 東京都江戸東京博物館 1階特別展示室
会期: 6月23日(火)~8月23日(日) ※展示替えあり。前期:6月23日(火)~7月26日(日)、後期:7月28日(火)~8月23日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時30分、土曜日は午後7時30分まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(ただし7月20日(月)、8月10日(月)は開館)、7月21日(火)
観覧料:一般1,600円、大学生・専門学校生1,280円、65歳以上800円
※20名以上の団体料金や前売料金、無料になる条件等についてはHPなどで確認を。
HP:https://www.edo-tokyo-museum.or.jp
(オガワユウコ)