
霧島酒造の志比田増設工場が、熊本国税局令和8年酒類鑑評会 本格焼酎部門・一般酒の部で優等賞を受賞。また、宮崎・鹿児島・熊本・大分から各1蔵のみが選ばれる優等賞製造場代表に選出された。『KIRISHIMA No.8』の味わいを支える自社育種のさつまいもと独自酵母、製造技術が高く評価された。
本格焼酎部門・一般酒の部で優等賞受賞
熊本国税局酒類鑑評会は、清酒および焼酎の品質評価を通じて、酒造技術の進歩・発展と品質向上を図ることを目的に開催。本格焼酎部門には、アルコール度数25度の本格焼酎を評価する「一般酒の部」、本格焼酎の炭酸割りを評価する「炭酸割りの部」、アルコール度数35度以上かつ日常的に飲む焼酎とは異なる特別な製法を用いて製造した本格焼酎を評価する「チャレンジの部」があり、霧島酒造も製造技術を検証する場として出品している。

北村熊本国税局長から賞状を受け取る霧島酒造の花村氏
令和8年酒類鑑評会「本格焼酎部門・一般酒の部」には、192製造場から全433点が出品、117点が優等賞を受賞した。そのうち宮崎県は49製造場から105点が出品。霧島酒造の志比田増設工場が出品した「KIRISHIMA No.8」を含む31点が優等賞を受賞。さらに志比田増設工場は、宮崎県から1蔵のみが選ばれる優等賞製造場代表にも選出された。
フルーティーな味わいが好評
「KIRISHIMA No.8」は、マスカットやみかんを思わせるフルーティーな味わいが好評で、霧島酒造の他銘柄に比べ40代以下のユーザー割合が1.5倍。芋焼酎ならではの甘さや深み、飲んだ後の心地よい余韻も特長で、第四次焼酎ブームの新潮流としてささやかれている「香り系焼酎」市場の伸長のなか、「香り系食中酒」として好評で、2026年3月末時点で490ml瓶と900ml瓶の累計販売本数は76万本を突破しているとのことだ。
独自開発のさつまいもで焼酎を製造

今回の評価ポイントの一つは、出品酒の原料であるさつまいも「霧島8(キリシマエイト)」だ。「霧島8」は、品種名「霧N8-1」、後継品種「霧N8-2」を含んだ総称。「霧N8-1」は、霧島酒造が育種し誕生したさつまいもで、焼酎メーカーが単独でさつまいもの品種を育成し、その品種で焼酎を製造・販売することは日本初(2023年1月霧島酒造調べ)とのこと。
芋焼酎の味わいは、さつまいもの種類と、麹や酵母との掛け合わせによって大きく変化する。霧島酒造は「焼酎の可能性を広げたい」という想いから、さつまいもの品種開発に着手。「霧島8」はその成果であり、既存品種にはない華やかでフルーティーな風味を生み出すさつまいもとのことだ。
独自開発のエレガンス酵母

次に霧島酒造独自開発の「エレガンス酵母」(霧島酒造独自呼称)もポイントに挙げられる。「エレガンス酵母」は、華やかな香りを強く醸し出す特性を持つ。霧島酒造では理想的な発酵を実現するため、タンク内の温度を細やかに管理し、酵母が最も力を発揮できる環境を整えている。
製造チームの技術力を評価

また、製造チームの技術力も評価のポイントとなった。「KIRISHIMA No.8」の開発・製造にあたり、志比田増設工場では、まず1タンクでの仕込みからスタート。一次仕込みが順調でも、二次仕込みや蒸留の段階で予期せぬ課題が生じることもある。酵母・麹・さつまいも・水の配合を変えながら、研究開発部とも何度もやり取りを重ね、「霧島8×エレガンス酵母」の最適な製造条件を確立したとのことだ。
担当者のコメント

受賞ついて、製造部の花村博氏はこうコメントしている。
「本鑑評会において、高い評価を得なければ、というプレッシャーは常にあります。製造責任者を担当するのは3回目ですが、結果発表が近づくと、いつも以上に緊張しました。だからこそ、丹精込めて造った焼酎がこうして評価されることは、自分自身だけでなく、製造に携わる社員全員の大きな励みになります。今回の結果に満足することなく、今よりももっとおいしい焼酎を皆様に届けられるよう、焼酎造りに励んでまいります」

また酒質管理部の黒木俊行氏はこうコメントしている。
「酒質管理部では、原酒の選択から品質調整、ブレンドまでを一貫して担当しています。今回の出品酒では、『霧島8』と『エレガンス酵母』が生み出すフルーティーな香りをどこまで引き出せるかに徹底的にこだわりました。
本鑑評会は、私たちブレンダーにとって技術を客観的に確かめられる貴重な機会です。今回評価をいただいた技術は、今後の新商品開発や既存商品のさらなる品質向上にも活かしていきたいと考えています」
優等賞を受賞した霧島酒造の「KIRISHIMA No.8」をチェックしてみては。
■霧島酒造
住所:宮崎県都城市下川東4丁目28号1番
HP:https://www.kirishima.co.jp
※2:「霧島8(キリシマエイト)」は霧島酒造の登録商標です。
(熊田明日良)