
6月5日(金)~11日(木)の1週間、東京都武蔵野市にあるアップリンク吉祥寺にて、⻄山裕之氏が監督・脚本・編集を務める『20dB』『breath』『空と白と波と母』『青と白』の4作品を短編作品集『唯心』として、上映されることが決定した。
西山裕之氏について

西山裕之氏は、1974年生まれで、京都造形芸術大学芸術学部芸術教養学科卒業。1996年、テレビCMの監督としてデビューした。
海外での経験を得て、数々のテレビ番組をはじめとする映像作品を手掛けた西山氏は、2008年にニッシー・プラスを設立。2017年6〜7月のLa MaMaでの公演『In the BOX 2』では、ニューヨーク・タイムズ紙の「鑑賞すべき舞台ベスト10」に選ばれた。
現在は、コンサートやライブの映像演出を中心に、CM、MV、テレビ番組から、舞台・イベント演出に至るまで幅広いジャンルで活動。2020年に初監督を務めた短編映画『20dB』では、第23回上海国際映画祭(金爵賞短編部門)に選出された他、東京シネマスターズ国際映画祭でグランプリを受賞し、数々の賞を獲得した。
その後も、『Breath』『空と白と波と母(英題:Tofu)』と監督・脚本・編集を務め、海外の映画祭を中心に選出。『青と白(英題:Blue and White)』は4作目の作品で、カーマーゼン・ベイ映画祭(BAFTA公認)をはじめ、数々の映画祭で受賞を果たしている。
上映される短編4作品をチェック
国内外で50以上の映画祭でノミネート、11の受賞をした、⻄山裕之氏の短編4作品を紹介しよう。


『20dB』は、「森の中、録音機器を持ちながら歩く一人の女子高生。彼女は植物状態になってしまった親友を目覚めさせるために、二人の思い出の地に赴いては、その場所の音を録音し、聴かせていた。ある日、何かに導かれるかのように森の奥深くへと足を運んで行った彼女は、かつて二人で見つけた一本の大樹の下へと辿り着く。蘇る和と過ごした日々の記憶。頭の中を二人の思い出が駆け巡り、静寂が訪れる。その瞬間、再び二人の時が刻み始める」という内容。

歌(うた)役の久保⽥紗友さんと、

撮影:橋本隆二さん
和(ひより)役の加藤⼩夏さんが出演している。


『breath』は、「学生時代、水泳選手だった俊太郎に突然の電話。水泳を教えて欲しいとのことだが、もう10年以上、泳いでいない。強引に押し切られ、遠隔で水泳を教えることとなる。聞くと水が怖くて顔も付けられないと言うが、まずは洗面器に顔を付けるところから始め、徐々に水に慣れていく作戦。アキラのやる気と熱意を感じ、徐々に俊太郎の指導も過熱していく。もっと上達をさせたいと、対面で教えても良いと言うが、そこから連絡が途絶えてしまう。しばらく経ったある日、俊太郎の元にアキラからの手紙が届く。そこには忘れていた過去の記憶が」という内容。

主演するのは、アキラ役の三浦透子さんと、

俊太郎役の松本実さんだ。


『空と白と波と母』は、「女子中学生の楓は、母を亡くしてから、豆腐店を営む父と喧嘩ばかりしている。ある朝、楓は亡くなった母とよく一緒に出かけていた海へと向かう。青く広がる海を眺めていると、嫌だったことを忘れさせてくれる。そして、波の音を聞いていると、辛かったことを連れ去ってくれる。家に帰ると父は、丹精込めて丁寧に、昔ながらの手作りで豆腐を作っている。食卓には、父が用意してくれた朝食が並び、母の仏壇に、毎日供えられている豆腐が置かれていた。楓はそこに温かい豆腐の味噌汁を付け足す。黙ったまま朝食をとる二人であったが、楓が母との思い出の動画を送ることで、父との関係が変わり始める」という内容。

楓(娘)役の服部樹咲さん、

理(⽗)役の井上幸太郎さん、

美智⼦(⺟)役の奥貫薫さんが出演している。


『青と白』は、「最愛の妻を亡くし、その別れの葬儀の⽇も塩を作り続ける職⼈の⿓介。そんな時でも塩作りに没頭する姿を⾒た孫娘みどりが、その真意を聞く。この⼟地でしか作ることのできない塩を作り続け、その歴史を守っていくことが使命だと思っている⿓介。そんな⿓介の姿を⾒つめ続ける孫娘のみどり。塩と向き合うことで、亡き妻と⼀緒にいる感覚となる」という内容。

龍介役の國村隼さん、

みどり役の福地桃子さん、

修二役の筧利夫さん、

©︎篠山紀信
藤子役の竹下景子さんが出演している。
この機会に、美しい有機的な自然が残り、風土や信仰とともに独自の文化が育まれてきた日本を舞台に、魅力的な風景や固有の文化を描きながら、そこに生きる人々の内面にある感情に静かに光を当てた、⻄山裕之氏作品を鑑賞してみては。
■アップリンク吉祥寺
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目5−1 パルコ地下2階
(佐藤ゆり)