
熊本・八代のい草から生まれた新しいプロダクト「izaiza」が、中川政七商店主催の「地産地匠アワード2026」においてグランプリを受賞した。
「izaiza」は、熊本市に拠点を置くBRIDGE KUMAMOTOの代表理事・佐藤かつあき氏がコンセプト設計・クリエイティブディレクションを担い、熊本を拠点に活動するプロダクトユニット「itiiti」がデザイン・制作を手がけた作品だ。
資金面だけでなく地域産業に新たな価値を生む支援を
このプロジェクトは、2025年の熊本豪雨で被害を受けた八代地域の中小企業などを支援するため、エヌエヌ生命保険からBRIDGE KUMAMOTOに託された寄付をきっかけに始まった。
BRIDGE KUMAMOTOは、企業や団体などから寄せられた寄付を、地域の課題や、地域の可能性を広げる取り組みにつなぐ「寄付のコーディネート」を行っている。今回の支援では、単に資金を届けるだけでなく、地域の産業に新たな価値を生み出し、将来につながる支援にできないかと考えた。

そこで着目したのが、八代を代表する地域産業である「い草」と、い草の新しい可能性を追求してきた熊本を拠点に活動するitiitiだった。
itiitiは、田中典子氏と村上貴美氏によるプロダクトユニット。い草の特性を活かし、再構築することで、これまでとは異なるい草の表情を引き出し、アクセサリーやアート作品へと展開してきた。
今回のプロダクトも、い草の特長を考え、これまでになかった新しい使い方を提案するものだ。
い草の可能性をひらく、新しい姿

受賞したプロダクトは、畳という伝統的な製品を支えるい草の価値を尊重しながら、その素材が持つ新たな可能性を提案する。
地域に受け継がれてきた素材を、現代の暮らしの中で新しい価値へと展開する。その革新性が「地産地匠アワード」の審査員からも高く評価され、グランプリ受賞につながった。
目指したのは、一つの商品をつくることだけではなく、プロダクトをきっかけに、い草という地域資源への関心を高め、生産者や関連産業、そして八代という地域そのものに、新しい人や市場との接点を生み出すことだった。
「八代を支援する」だけでなく、「八代から新しい価値を生み出す」。それが、このプロジェクトの目指すところだ。
支援が循環する仕組みをつくっていく
7月28日(火)、熊本県を再び大きな地震が襲い、八代市でも最大震度6強を観測するなど、八代地域を含む県内各地で大きな被害が発生した。
2025年の豪雨をきっかけに始まったこのプロジェクトは、改めて八代の復旧・復興と向き合うことになった。
ひとつの商品が地域を変えることはできないが、商品を手に取った人が八代を知り、い草を知り、そこに暮らす人やものづくりに関心を持つという小さな関心が、消費や仕事、支援や交流へとつながっていく。そんな「支援が循環する仕組み」を、クリエイティブの力でつくっていきたいと考えているという。
「地産地匠アワード2026」グランプリを受賞した「izaiza」を、この機会にチェックしてみては。
BRIDGE KUMAMOTO HP:https://bridgekumamoto.com
itiiti HP:https://www.itiitiitiiti.com
地産地匠アワード受賞詳細:https://www.nakagawa-masashichi.jp/shop/pages/chisan-chisho-2026-winner1.aspx
(ASANO)