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一般社団法人シェアードサービスセンター

AIを導入しても「判断が遅くなる組織」が増えている理由とは

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優秀な人材が揃っているのに、会議が決まらない“見えない構造”

本リリースは、生成AI導入が進む企業の現場で見られる意思決定や判断の変化について、ITサービス業界での実務知見をもとに整理・分析した調査的考察です。

生成AIの普及により、企業の業務環境は大きく変化しています。
情報収集や分析、資料作成など、これまで時間を要していた業務は、AIによって短時間で行えるようになりました。

一方で、現場からは次のような声が増えています。
AIを導入したにもかかわらず、意思決定が迅速にならない。
会議の回数や資料は増えたものの、判断がばらつく。
AIに尋ねても、納得のいく答えが得られない──。
「AIを使えば判断は速くなる」と考えられてきた現場で、なぜ逆の現象が起きているのでしょうか。

■ 判断がブレる原因は「能力」でも「経験」でもない
多くの現場で見落とされがちな、判断不全の本質的な要因とは何か。
多くの企業では、判断が不安定になる原因を、経験不足やスキル不足、説明力や議論力の問題として捉えがちです。
しかし、ITサービス業界における実務支援の現場を通じて見えてきた傾向として、その認識は必ずしも正確とは言えません。
判断が揺らぐ最大の要因は、
「ものごとの見え方・考え方・決め方の前提が揃っていないこと」
にあります。
同じ資料を見ていても、
何を重要と捉えるか、
どの視点を優先するか、
どの基準で良し悪しを判断するか、
これらが人によって異なれば、結論が揃わないのは当然です。
これは個人の能力の問題ではなく、思考の“構造”の問題です。

■ AI時代に広がる「判断のズレ」
生成AIは、問いに対して即座に答えを返します。
しかし、その問い自体は、人間の「見え方」に依存しています。
目的が曖昧なまま投げられた問い、
視点や前提が整理されていない指示、
判断基準が共有されていない状態での活用──。
このような条件下でAIを使うと、AIは迷いを解消するどころか、判断のズレを増幅させてしまうことがあります。
つまりAI時代とは、
「考える力が不要になる時代」ではなく、
「考え方の質が、そのまま成果に影響する時代」
だと言えます。

■ 会議が迷走する組織に共通する“見えない欠陥”
判断が停滞する組織には、共通する特徴があります。
・議論の目的が明確に共有されていない
・良し悪しの基準(モノサシ)が曖昧
・参加者それぞれの立ち位置が揃っていない
その結果、「正しい意見」がぶつかり合い、議論は噛み合わず、結論に至らなくなります。
この状態は、努力や気合では解決できません。
必要なのは、思考の前提を揃えるための仕組みです。

■ 「判断は才能ではなく、構造である」
こうした問題意識のもと、AI時代に求められる判断力や思考力を、構造として整理・言語化する取り組みが進められています。
判断は、ひらめきやセンスによるものではなく、
どう見るか
どの順序で考えるか
何を基準に決めるか
といった思考の構造によって支えられています。
この構造が整えば、
判断は速くなり、
説明はシンプルになり、
組織の意思決定は揃っていきます。

■ 今後の展開について
現在、AI時代における「迷わない判断」を生み出す思考構造について、
実務視点から整理した内容を、書籍としてまとめる準備を進めています。
今後は、
個人の判断力
チーム・組織の意思決定
AI活用との向き合い方
といったテーマについて、順次情報発信を行っていく予定です。

■ 問いかけ
AIが急速に進化する今、
あなたの組織では「考え方の前提」は揃っているでしょうか。
判断がブレる原因を、
「人」や「能力」の問題で片づけてはいないでしょうか。
AI時代だからこそ、
いま一度「考える力の構造」を見直す必要があるのかもしれません。

【発信者情報】
一般社団法人シェアードサービスセンター
代表理事 渡辺明貢
一般社団法人シェアードサービスセンターは、AI時代における企業・組織の課題を、
業務・組織・思考の構造という観点から整理・可視化する取り組みを行う団体です。
ITサービス業界で培った実務経験をもとに、意思決定の質向上、組織内の判断のばらつき解消、
AI活用と人の思考の関係性などをテーマに、調査・分析および事業企画を推進しています。
今後は、本リリースで整理した内容を基盤として、AI時代における「迷わない判断」をテーマとした
書籍を年明け以降、順次発行していく予定です。
あわせて、企業・組織での実践を支援する診断システムや研修プログラムの開発・提供についても、
準備を進めています。
https://ssc-j.or.jp

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