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株式会社サンパギータジャパン

京都とフィリピンを結ぶ糸

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フィリピンの伝統工芸を紡ぎ直す、あるエシカル・ファッションブランドの挑戦

京都――高級ファッションの世界では、「ラグジュアリー」はしばしば希少性や価格の高さによって語られる。だが、京都の静かなアトリエで活動するサンパギータ・ジャパンの創業者・福田晋吾氏は、その概念に別の意味を与えている。
福田氏にとってのラグジュアリーとは、市場に向けた宣伝ではなく、フィリピンの職人たちの手に受け継がれてきた世代を超える知恵そのものだ。2014年に創業した同ブランドは、京都の洗練された美意識と、フィリピンに息づく力強い工芸の伝統とを結ぶ架け橋となってきた。
ブランド名の サンパギータ(Sampaguita) は、フィリピンの国花にちなんでいる。民間伝承では「Sumpa kita(あなたに誓う)」という言葉に由来するとされ、永遠の愛の誓いを意味する。福田氏にとってこの名は、職人と消費者の双方を大切にしながら、持続可能で公正な取引を基盤とする事業を築くという決意の表れでもある。


サンパギータ・ジャパンの製品

研究者から起業家へ――
「ゼロからの長い道のり」
福田氏の歩みは、ファッションの現場ではなく、調査研究の現場から始まった。フィリピン大学で開発経済学を学び、地域のものづくり産業を追うフィールドワークのなかで、光沢あるブリヤシ繊維に出会った。
安価な大量生産品の流入により、熟練の織り手たちは価格競争に巻き込まれ、技術の価値も生活の基盤も脅かされていた。福田氏はこの現実を研究するだけでなく、何とか食い止めたいと考えるようになった。
「卓越した技を持つ人たちが、ただの単純労働者のように扱われている現実を目の当たりにしました」

国境を越えて生まれるものづくり
サンパギータ・ジャパンの製品は、京都でデザインが生まれ、フィリピン各地の職人たちによって編み上げられる。日本の着物にも現代的なビジネススーツにもなじむ独自のスタイルを追求しながら、製造の中核はフィリピン国内で担われている。そのサプライチェーンは実に多様だ。
・ネグロス島地方東海岸地域:パンダンを用いた織物とバッグ小物の制作
・ケソン州・ブラカン州:ブリ素材の採取と加工、クラッチバッグの素材へ
・イフガオ:binodbodan(イカット)の伝統と竹細工の技術
・アクラン州:アバカ(マニラ麻)織物を帽子などへ仕立て
北部山岳地帯のイフガオでは、先住民の職人たちが古くから伝わる技法を用いて、日本の竹細工とは異なる「しなやかで力強い」竹の骨組みを制作する。福田氏はその特質を現代的なバッグのデザインに取り入れている。
北部山岳地帯のイフガオでは、先住民の職人たちが古くから伝わる技法を用いて、日本の竹細工とは異なる「しなやかで力強い」竹の骨組みを制作する。福田氏はその特質を現代的なバッグのデザインに取り入れている。

イフガオの職人による竹細工の制作
北部山岳地帯のイフガオでは、先住民の職人たちが古くから伝わる技法を用いて、日本の竹細工とは異なる「しなやかで力強い」竹の骨組みを制作する。福田氏はその特質を現代的なバッグのデザインに取り入れている。

PTIC大阪との連携が広げた可能性
サンパギータ・ジャパンが京都の一ブランドから日本市場で認知される存在へと成長するうえで、大きな役割を果たしたのが、在大阪フィリピン共和国総領事館貿易投資部(PTIC大阪)との連携だった。
手仕事による製品を海外へ輸出するには、輸出許可の取得や原産地規則(ROO)に関する書類対応など、多くの手続きと制度上の障壁がある。PTIC大阪は、こうした国際取引上の障壁を乗り越える支援役となってきた。
さらに、フィリピン・デザインセンターとの専門的な相談の場を設け、文化的な真正性を保ちながら商品デザインをさらに磨く後押しをしたほか、2025年6月にはフィリピン大統領訪日にあわせた重要会合にも福田氏が招かれた。
昨年大阪商工会議所ビル内にて、開催されたフィリピン製品プロモーションブースDTI SME Hubでブランドが紹介されたことにより、日本の経済界に向けてフィリピン工芸の魅力を発信する機会も生まれた。
PTIC大阪の推薦により大阪商工会議所主催のビジネスマッチングにも参加し、関西の主要百貨店での販路拡大にもつながった。


2025年6月 フィリピン政府貿易産業省大臣との面談

成功の尺度は「人」の変化にある
サンパギータ・ジャパンの成果は、単なる売上や販路拡大だけでは測れない。重要なのは、それが地域社会にもたらした変化である。
ネグロス島地方東海岸地域では、織り手たちが地域平均を上回る公正な報酬を得られるようになっただけでなく、自らの仕事に対する誇りを取り戻している。
安定した収入は子どもの教育費や住環境の改善にもつながり、故郷の村で暮らしながら働けることが、家族と地域の生活を支えている。


ブリ素材を編む職人たち

一織りずつ、約束を形にする
日本の主要な小売市場で存在感を高めつつあるサンパギータ・ジャパンは、日本の精緻な感性とフィリピンの情熱的なものづくりが出会うことで、どのような価値が生まれるのかを示している。
それは単なるファッションブランドではない。職人の技と生活を守り、消費者にも新たな価値観を届ける、持続可能でフェアトレードな約束のかたちである。その約束は、今日もまた一織りずつ、丁寧に積み重ねられている。

「郷土の手工芸品」から「職人による芸術的な逸品」へ
地域に根ざした創意工夫が安定した仕事の機会を生み、作品は日本を含む国際市場へ届くようになった。そして、2026年10月3日に京都にて実店舗をオープンする予定だという。物価高の苦しい時代だからこそ、長く愛用できる「本物」の価値を知る顧客層からの支持が高まっており、一層の認知度と普及に向けて決断したものである。

メディアお問い合わせ先
サンパギータ・ジャパン
Web: https://www.sampaguita-bag.com
E-mail: info@sampaguita.jp

店舗情報
Sampaguita京都本店
住所: 〒604-8267 京都市中京区御池通堀川東入る鍛冶町190 メイゾン御池1階
グランドオープン: 2026年10月3日
営業時間: 12:00~17:00
定休日: 水曜日

特集記事作成:在大阪フィリピン総領事館貿易投資部
〒540-0029 大阪市中央区本町橋2-8
大阪商工会議所ビル2階
TEL: 06-6910-7191 / Email: osaka@dti.gov.ph

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