株式会社KUMU Works(東京都港区、以下「KUMU Works」)は、同社が日本市場向け独占販売パートナーを務める米国Z2Data LLC(以下「Z2Data」)が提供する電子部品・半導体領域のデータプラットフォームにおいて、Full Material Declaration(以下、FMD)データをchemSHERPAスキーマ準拠のXMLファイルとして出力する機能が利用可能になったことをお知らせします。 本機能により、Z2Dataで保有している部品レベルのFMDデータを基に、chemSHERPA成形品データ(AI)作成支援ツール(以下、chemSHERPA作成支援ツール)で読み込み可能なXMLファイルを取得できるようになり、chemSHERPAファイル作成の前処理・初期入力作業の大幅な効率化が期待できます。
FMDは、部品・製品を構成する材料レベルまで遡り、含有物質およびその含有量を体系的に整理した材料情報であり、RoHS、REACHなどの環境規制対応やサプライチェーンにおける化学物質管理に用いられます。

Z2Data 日本語紹介サイト: https://z2data.kumu-works.com/
KUMU Works コーポレートサイト: https://kumu-works.com/
新機能の概要:FMD → chemSHERPAスキーマ準拠のXMLファイル出力
今回Z2Dataに追加された新機能では、同社が保有する部品レベルのFMDデータをもとに、chemSHERPA作成支援ツールで読み込み可能なchemSHERPAスキーマ準拠のXMLファイルをツール上から取得することができます。
生成されたXMLファイルをchemSHERPA作成支援ツールにインポートすることで、以下のような情報があらかじめ設定された状態から作業を開始することが可能になります。
- 物質リスト
- 含有量・濃度情報
- CAS番号など、FMDに含まれる基本属性
これにより、従来はchemSHERPA作成支援ツール上で一から入力していた物質情報のエントリーや転記作業が大幅に削減され、担当者はより付加価値の高い確認・判断業務に集中できることが期待されます。

本機能の位置付け
本機能で生成されたXMLファイルは、chemSHERPA作成支援ツールで読み込み可能な“入力支援用データ”を提供する機能であり、「最終的なchemSHERPAファイル(拡張子.shaiのファイル)」をそのまま提供するものではありません。
chemSHERPAの正式提出に必要な項目のうち、FMDデータの管理範囲を超える情報(例:用途分類記号、意図的含有の判断、企業責任に基づく確認項目等)については、本XMLには含まれていません。これらの項目については、XML読み込み後にユーザー企業側での入力・確認が必要となります。
例えば以下の項目が該当します。
- 材質(Material)材質用途(Use/Application)との設定
- 各種環境規制(RoHS、REACH 等)に対する遵守可否の判断
- 適用除外の選択・設定
- 社内基準に基づく評価コメントや備考 など
そのため本機能は、環境規制対応業務そのものを代替するものではなく、Z2Data上のFMDデータをchemSHERPAファイル作成プロセスへスムーズにつなぐための前処理・初期入力の自動化機能として位置付けられます。
なお、「最終的なchemSHERPAファイル」の内容および各種環境規制への遵守判断に関する責任は、従来どおり各企業様に帰属します。
本機能の有用性と日本市場における活用
FMDデータをそのままchemSHERPAスキーマ準拠のXMLファイルに変換し、chemSHERPA作成支援ツールでの入力作業を大幅に軽減するワークフローを提供するプラットフォームは、現時点では海外・国内ともに多くありません。
Z2Dataの新機能により、すでにFMDデータを収集・管理している企業は、その資産をchemSHERPAファイル作成対応に直接活用できるようになります。特に、部品点数が多く、chemSHERPA対応工数が課題となりやすい日本の製造業において、本機能は実務負担の軽減に大きく寄与すると考えています。
なお、Z2DataおよびKUMU Worksでは、本機能を第一歩として、FMDデータとchemSHERPAファイルフォーマットの連携強化や、複数部品の一括変換など、日本の実務に即した機能拡張を今後も継続的に進めていく予定です。お客様からいただくフィードバックを反映しながら、環境規制対応業務全体の効率化とリスクの「見える化」を一層ご支援してまいります。
Z2Dataプラットフォームについて(導入状況/提供領域)
Z2Dataは、電子部品・半導体領域のサプライチェーンリスクおよびコンプライアンス管理を支援するデータプラットフォームです。 グローバルではすでに500社以上の導入実績があり、日本市場ではKUMU Worksを通じて、2024年の10月より活用の拡大が進んでいます。 活用部門は、環境・品質・調達・設計など多岐にわたり、部品調査・規制対応・変更管理の業務を横断的に支援しています。KUMU Worksは、日本語での導入・運用支援を通じて、Z2Dataの活用定着を支援します。現場の運用フローに合わせた活用方法の設計から、導入後の継続支援までを提供します。
株式会社KUMU Worksについて
株式会社KUMU Worksは、半導体・電子部品分野におけるサプライチェーンリスク管理、コンプライアンス対応、調達業務のデジタル化を支援する企業です。Z2Dataの日本市場向け独占販売パートナーとして、Part Risk Manager、Supply Chain Watch、Compliance Managerなどのクラウドサービスの導入支援・運用サポートを提供しています。
Z2Data LLCについて
Z2Dataは、電子部品・半導体を中心としたサプライチェーンリスク管理およびコンプライアンス管理プラットフォームを提供する米国企業です。膨大な部品・サプライヤデータ、製造拠点情報、環境規制情報、PCN/EOL情報などを統合し、設計・調達・品質・環境部門におけるデータドリブンな意思決定を支援しています。
本件に関するお問い合わせ先:
株式会社KUMU Works
PR担当
Email: contact@kumu-works.com
Tel:03-4500-8664
URL: https://kumu-works.com
