第1弾事業 倒木した春楡の樹を弓反橋へ生かす「御神木再生プロジェクト」始動

一般財団法人「浮月内匠寮」設立と、寄付金募集開始について
一般財団法人「浮月内匠寮(フゲツ タクミリョウ)」(所在地:静岡県静岡市)は、このたび設立され、2026年1月31日より、第一弾事業「御神木再生プロジェクト」への寄付事業を開始いたしました。
本財団は、2025年に国登録有形文化財(建造物)および国登録記念物(名勝地関係)に 登録された浮月楼・明輝館と庭園を未来へ継承することを目的として設立されました。
寄付募集開始にあわせ、同日、徳川慶喜公屋敷跡・浮月楼庭園にて奉納行事「浮月シャクジ能」を開催。御神木および庭園への感謝と再生への祈りを捧げました。
財団設立の背景
2025年、料亭浮月楼の建物「明輝館」は国登録有形文化財(建造物)に、その前に広がる庭園は国登録記念物(名勝地関係)として登録されました。
130年以上にわたり徳川慶喜公屋敷跡として受け継がれてきた浮月楼は、この文化財登録を契機に、新たな責任と使命を担うこととなりました。
文化財は登録された瞬間から、「守り続ける責任」が生まれます。庭師や職人の高齢化、維持管理費の増大、技術継承の担い手不足といった課題に持続的に向き合うため、浮月楼は文化財を「守る」だけでなく「生かし、次代へつなぐ」仕組みとして一般財団法人浮月内匠寮を設立いたしました。
本財団は、文化財庭園と建物を未来へと継承するための公益的基盤として活動してまいります。
第1弾事業「御神木再生プロジェクト」
浮月楼の庭園には、四季折々の樹々を映す池と、その景色へ人々を導いてきた一本の弓反り橋があります。しかし現在、その橋は老朽化により、安全面の観点から渡ることが難しい状態にあります。
一方、2018年には庭園内に佇んでいた樹齢150年余の春楡(ハルニレ)が、自身の重みに耐えきれず倒木しました。この春楡は、庭園内の子福稲荷神社の御神木のような存在として、長年浮月楼を見守ってきた象徴的な樹です。
本プロジェクトは、当財団の第一弾事業として、この春楡を失われた存在とするのではなく、その材を生かして老朽化した弓反り橋を新たに架け替える取り組みです。
折れた御神木が、再び人を迎え、渡す橋として生まれ変わる
自然への感謝と命の循環を体現する「再生の象徴」となることを目指しています。

浮月庭園 弓反橋

倒木した春楡の樹
奉納「浮月シャクジ能」開催報告
奉納当日は、浮月楼の庭園と明輝館を舞台に、祈りと芸が重なり合う一日となりました。
はじめに、財団評議員であり久能山東照宮13代宮司の姫岡恭彦氏によるご祈祷が厳かに執り行われ、倒木した春楡の御神木への慰霊と、弓反り橋再生の安全、そして文化継承の歩みが祈念されました。
続いて、財団代表理事であり遠州流茶道上席家元師範代の久保田慶一(宗専)氏による献茶が行われ、庭園と御神木への感謝の心が捧げられました。
また、財団理事でもあり浮月楼代表取締役である久保田耕平より、財団設立の趣旨と本プロジェクトが目指す未来について挨拶が述べられました。
奉納芸能としては、華道家であり浮月楼芸術顧問、財団理事でもある辻雄貴氏による献花差立が行われ、桜を用いた献花が庭・茶室・能舞台をつなぎました。
その空間に呼応するかたちで、財団評議員 能楽師・大鼓方の大倉慶乃助氏をはじめとする囃子方の演奏、狂言方 野村万之丞氏による三番叟の舞が奉納され、土地への感謝と命の循環を主題とした新たな奉納「浮月シャクジ能」が結実しました。
また、文化財登録された明輝館では、八代目料理長・藤村將義による一夜限りの特別会席と、辻雄貴氏による室礼が設えられ、参加者は芸・食・空間が融和する浮月楼ならではの体験を堪能しました。
本奉納は、浮月楼が主催し、財団の志を社会へと伝える場として、「御神木再生プロジェクト」の始まりを象徴する一日となりました。


寄付のご案内
本奉納を機に、一般財団法人浮月内匠寮が主体となり、 「御神木再生プロジェクト」への寄付募集を開始いたしました。
皆さまからのご支援は、以下の費用に充てられます。
- 弓反橋の設計・架け替え工事費用
- 倒木した春楡の引き上げ・製材・再利用費用
- 庭園全体の保全・整備費用
- 完成披露会および文化催事の開催費用
