~ 平成27年度JA共済交通安全ポスターコンクール 全国作品テーマ分析レポート ~
JA共済連が主催する「第44回 小・中学生交通安全ポスターコンクール」には、全国から16万4,483点の応募があり、各都道府県から選出された優秀作品350点が全国コンクールの審査にあがりました。
本会では、平成16年度から、全国コンクール審査作品のテーマを集計し、小・中学生が、今、どのような視点から交通安全を捉えているかを分析しており、本年度で10年目を迎えました。
今回も、交通安全を考えるうえで、示唆に富む結果となりましたのでご報告します。
■ 『スマートフォンの使用マナー』を訴える作品 構成比15.7%で訴求テーマのトップに(3年連続)
横断歩道を渡る歩行者。その手にはスマートフォンが・・・。 このような光景を見たことはありませんか。
本年度の全国コンクール審査をテーマ別に分類すると、『スマートフォンの使用マナー』を呼びかける作品が訴求テーマのトップとなりました。
『スマートフォンの使用マナー』を呼びかける作品は、平成25年度から3年連続で子どもたちのポスターテーマのトップになっていますが、その構成比率を見ると、平成25年度が12.0%、平成26年度が14.6%、そして本年度は15.7%と伸長し、同テーマにおいて過去最高となる構成比率を記録しました。
本年1月、一般社団法人電気通信事業者協会と携帯電話・PHS事業者4社が実施したアンケート調査※によると、9割以上が迷惑であると認識しながらも、半数近くにあたる44.8%が、普段「歩きスマホ」をしており、3人に1人は「歩きスマホ」によってぶつかりそうになった経験があると回答しています。今回、『スマートフォンの使用マナー』が過去最高の構成比率で訴求テーマのトップとなった背景には、子どもたちが、小さな眼差しで鋭く社会を見ている結果と言えそうです。
※ 出典:「歩きスマホ」に関する調査 一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA) http://www.tca.or.jp/press_release/2015/0123_670.html
■ 中学生では4人に1人以上がポスターの題材に選定
本年度の『スマートフォンの使用マナー』を呼びかけるポスターは、小学生低学年〔1~3年〕で5.2%、小学校高学年〔4~6年 〕で14.2%、そして、例年、“社会派”の作品が目立つ中学生では28.1%を占めており、本テーマに対する関心の高さがうかがえます。
また、ポスターの絵柄から、訴求の対象を分析すると、「歩行者」が34.5%、「自転車」が21.8%、「ドライバー」が36.4%、その他(対象不明、或いは複数 )が7.3%と交通にかかわる様々な人々に向けて“ながらスマホ”の危険性を指摘しています。
◇ 『スマートフォンの使用マナー』を訴えるポスター[抜粋]
<その他 本年度の特徴的な作品>
本年6月、道路交通を巡る今般の情勢に対応するため道路交通法が改正され、自転車に対する安全対策が強化されました。これに伴い、「ヘルメット着用」等の従来から見られるテーマ以外にも「自転車」に関連する様々なポスターが描かれています。
<交通安全ポスターコンクール 訴求テーマ第1位と社会の動き(過去 10 年間)>
交通安全ポスターコンクール分析からは、子どもたちが、その時々の交通安全に関する旬のテーマに非常に敏感であることがわかります。子どもたちが指摘する“今、最もホットな交通安全の課題やテーマ”を参考にしながら、交通安全に努める必要があります。
※ 本リリースは、文部科学記者会、警察庁記者クラブに配付しています。