~「上白砂」プロジェクトの発信拠点として、山から川、暮らしへとつながる地域の営みを記録・発信~
株式会社小石興業(本社:長野県松本市)は、上高地・大正池の浚渫(しゅんせつ)の現場から生まれる「砂」を入口に、山から川、そして暮らしへと続く地域の営みを見つめるWebマガジン「Sandscape(サンドスケープ)」を、2026年10月1日に開設しました。
長年、上高地の浚渫に携わってきた小石興業だからこそ見えてきた、自然と人の営み、インフラと暮らしのつながり。砂を起点に、その見えにくい関係を記録し、伝え、そして実際の事業として地域へ還していくことを目指します。
Sandscape(サンドスケープ)

Prologue はこちら
私たちは、風景の何を見ているのか。──「砂」がつなぐ上高地・梓川流域の営み
Web:https://kami-hakusa.jp/sandscape/
note:https://note.com/kami_hakusa
※noteではSandscapeの記事に加え、「Journal」として上白砂の活動や地域との共創の記録を発信していきます。
1. 設立の背景:上高地の風景を支える「現場」の営み
観光地として広く知られる上高地の風景は、決して手付かずの自然としてそこにあるわけではありません。大正池では、豊かな自然環境や地域のインフラを守るために、長年にわたり土砂の堆積を防ぐ浚渫作業が続けられてきました。その過程では、現在も年間約2万㎥規模の砂が発生し続けています。
半世紀にわたり上高地の浚渫に携わってきた私たちが、現場で向き合ってきたのが「砂」です。この砂は、北アルプスから川を通じて運ばれてきたものです。一粒の砂をたどっていくと、山があり、川があり、発電があり、観光があり、そこに暮らす人々の仕事があります。つまり砂は、自然の営みと人の営みがつながる場所にある素材です。
私たちは、この砂を見つめることから、上高地だけではなく、山から川、そしてまちへとつながる「流域」という大きな風景を捉え直せるのではないかと考えました。砂を入口に、自然と人の営みがどのようにつながっているのかを見つめ、この土地のこれからを考えていくことが、本プロジェクトの出発点です。
2. 社会が直面する課題:インフラ維持の裏側にある「見えない負担」と、地域に生まれる資源をどう活かすか

近年、気候変動や自然災害の激化に伴い、インフラの維持管理や環境保全の重要性は増しています。しかし、自然豊かな観光地においては、「美しい自然」が親しまれる一方で、それを支える地道な保全の営みはなかなか見えにくいのが現状です。
例えば上高地・大正池では、河川環境を守るための浚渫作業から生まれる土砂の置き場が限られつつあります。
そうした現実を遠くの問題にするのではなく、山から川、そして暮らしへと続く「流域」全体の視点から丁寧に紐解き、地域の共有財産としてこれからのあり方をどう描くのか。本プロジェクトは、その普遍的な問いに現場の目線から向き合う試みです。
3. 実践としての展開:「上白砂」の事業とWebマガジンの循環
Sandscapeで砂をめぐる地域の営みを伝える一方で、実際に砂を地域の中で循環させていく取り組みとして、「上白砂」の事業を進めています。上白砂は、大正池の浚渫によって生まれる砂を、地域資源として活用していくプロジェクトです。北アルプスから流れてきた砂を、取り出して終わりにするのではなく、地域の暮らしや仕事のなかで新たな役割をつくり、土地へ還していく。

砂の行き先を考えることは、この地域の資源をどう循環させていくのかを考えることでもあります。また、「上白砂」の事業活動を継続することが、Sandscapeの取材・編集・発信を支える基盤となります。「伝えること」と「実際に動かすこと」。この二つを別々にするのではなく、発信と事業を両輪として動かしていくことで、地域との関係を持続的に育てていきます。
4. 2026年度 公開予定記事
今年度は「流域を知る」として、山・川・まちを「流域」という一つのつながりで見つめ直す記事を順次公開してまいります。
- 私たちは、風景の何を見ているのか──「砂」がつなぐ上高地・梓川流域の営み
Prologue
- 足元の砂は、何を物語るのか。地質学者・原山智名誉教授と読み解く、北アルプスの大地の鼓動
信州大学名誉教授 原山 智 氏
- 山と都市を、ひとつの流域から見る。YAMAP「流域地図」開発者が語る、新しい大地の見方
株式会社やマップ 森脇 誠智 氏
- 小水力発電がつなぐ、生きる力。梓川流域で「小さな関与」がもたらすもの
さとやまエネルギー 前田 仁 氏
- 自然の恵みと脅威のあわいで。穂高神社に訊く、上高地と安曇野を結ぶ山岳信仰
穂高神社禰宜 等々力 良勝 氏
- 観光も日常も健やかに続くために。流域に生きる人々がつくる、上高地の“風景”
松本市アルプスリゾート整備本部 内木氏・福沢氏 × 株式会社小石興業 濱
5. 今後の展望
Sandscapeは、上高地・梓川流域にあるさまざまな営みを記録していきます。このプロジェクトを始めたことで、これまで仕事を通して関わってきた地域の方々に、あらためて話を聞く機会が生まれました。砂について考えることから始まった問いが、地質、河川、エネルギー、信仰、観光など、さまざまな分野との新しいつながりへと広がっています。
小石興業は、現場で見えてきた課題を自社だけの問題として抱えるのではなく、地域の中で共有し、考え、実践していくことを大切にしていきます。「砂」という小さな素材から、地域の風景を見つめる。そして、そこで生まれた問いを、実際の事業や新しい関係へとつなげていく。
Sandscapeで地域のつながりを伝え、上白砂で砂を地域へ還す。その両輪を通して、この土地との関わりをこれからも育ててまいります。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社小石興業 担当:濱
TEL:0263-92-3092
E-mail:info@kami-hakusa.jp
Webサイト:https://kami-hakusa.jp/