全薬工業株式会社は、敏感肌女性におけるビオセラミド含有スキンケア製品の効果及び安全性を確認するため使用試験を実施し、その結果を学会発表いたしました。
<研究概要>
敏感肌の自覚がある、20代~40代の健常な日本人女性101名を対象に試験を行いました。試験方法は、1日2回朝と夜、試験品を顔に8週間使用し、角層水分量、経皮水分蒸散量、エリスマ値、角層NGFタンパク質量、角質細胞面積、角層有核細胞率を測定し、経過を観察しました。
<スキンケア製品6品のヒト使用試験(2017年3月~4月実施)>
[表: https://prtimes.jp/data/corp/29377/table/4_1.jpg ]
<角層水分量=うるおいの指標> 角層水分量(使用前を100とした相対値)

皮膚のうるおいの指標となる角層水分量が約28%増えました。
<経皮水分蒸散量=角層バリア機能の指標> 経皮水分蒸散量(使用前を100とした相対値)

経皮水分蒸散量は、肌の水分がどの程度外に逃げているのかを表し、この数値が低いほど肌のバリア
機能が高いとされています。この数値が試験品の使用により約19%改善しました。
<エリスマ値=赤みの指標> エリスマ値(使用前を100とした相対値)

肌の赤みを表すエリスマ値が約11%減少し、赤みを抑えることができました。
試験品の使用によって赤みが減少した例

エリスマ値が約18%軽減したのに伴い、見た目の赤みも軽減されました。
<角層NGFタンパク質量>角層NGFタンパク質量(pg/μg)

敏感肌には複数のタイプがあることが報告されており、いずれにおいても角層NGF(神経成長因子)が増加
していることが確認されています(日本香粧品学会誌Vol.29,No.1、pp 44-49(2005))。
※NGFとは、交感神経及び感覚神経系の発達及び維持に関与しているタンパク質です。
角層NGFタンパク質量低下が確認されました。
<角質細胞面積・角層有核細胞率=角層状態の指標>

健常な肌では敏感肌と比較して角質細胞面積が大きく、有核細胞はほとんど見られないことから、角質
細胞面積および角層有核細胞率を、角層状態(肌状態)を評価する指標として用いました。試験品の使
用により、細胞面積が増加し、有核細胞率が減少しました。
■研究結果
ビオセラミド含有スキンケア製品6品の使用により、うるおい(角層水分量)及び、角層バリア機能
(経皮水分蒸散量)が改善しました。また、角質細胞の面積が増加し、赤み(エリスマ値)及び角層
の有核細胞率、角層NGFタンパク質量が減少しました。これらの結果より、ビオセラミド含有スキン
ケア製品の使用によって敏感肌の方の角層の状態が改善することが示唆されました。また、本試験に
おいて重篤な副作用は観察されませんでした。