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菩提樹

「迎える」 その一瞬のために

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広島の技が響き合うウェルカムボード、最終工程へ

広島で、ひとつの工芸作品がゆっくりと姿を現しています。
現在制作が進められている「はなへんろ」のウェルカムボードは、完成まであと一歩。全体の約八割が仕上がり、いままさに最終工程へと向かっています。
この作品は、単なる看板ではありません。
訪れる人を迎え入れ、その場の空気を静かに整える--
いわば**「迎えの文化」をかたちにした工芸作品**です。
異なる技が、ひとつの空間のために調和する
制作の起点となったのは、広島が誇る金仏壇の伝統技術。
そこに、神楽衣装に用いられてきた金糸刺繍、そして大竹に受け継がれる手漉き和紙が重なります。
本来であれば出会うことの少ない技術同士が、今回は「迎える」というひとつの目的のもとに集まりました。
金組子が光をやわらかく通し 金糸刺繍が奥行きと気配を生み 手漉き和紙が空気を含み 黒漆と手打ち金具が全体を静かに引き締める
それぞれが主張するのではなく、互いを引き立て合うことで、空間に自然な“間”を生み出します。
未完成だからこそ宿る、工芸の時間
現在、制作は最終調整の段階にあります。
光の入り方、刺繍の表情、素材同士の呼吸--そのわずかな差異を確かめながら、慎重に仕上げが進められています。
工芸は、一瞬で完成するものではありません。
時間を重ねることで、はじめて静かな存在感が生まれます。
このウェルカムボードもまた、完成へ向かう“途中の時間”そのものを大切にしながら形づくられています。
境界を、調和に変えるために
「はなへんろ」が目指しているのは、伝統を守ることだけではありません。
異なる文化や技術の境界を越え、それらが自然に溶け合う場をつくることです。
ウェルカムボードは、人と空間が最初に出会う場所に置かれます。
言葉がなくても歓迎が伝わる--そんな静かな装置でありたいと考えています。
それは工芸品であると同時に、
**空間の一部として機能する“小さな建築”**ともいえる存在です。
広島から、次の迎賓文化へ
この試みは、地域に根づく技術を現代の暮らしへと接続する、新しい挑戦でもあります。
将来的には国内外の空間での設置や展示も視野に入れながら、工芸が日常の中で再び息づく可能性を探っていきます。
広島で静かに生まれつつあるこのウェルカムボードが、
人と場所をやわらかく結び、新しい出会いを生む存在となることを願っています。
完成の時は、もう間もなくです。
【はなへんろについて】
「はなへんろ」は、広島に受け継がれてきた手仕事を再編集し、現代の空間へと提案する工芸プロジェクトです。異なる技術が調和することで生まれる静かな美を通じ、新しい迎えの文化をかたちにしていきます。

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